MilesTAD’s Blog

自分の一生涯の趣味として続けているオーディオのブログです。

マルチアンプ用アッテネーターの導入

 

 

 我が家では、Rey Audio RM-6Vを使っている頃から、デジタル・チャンネル・ディバイダーで周波数分割された高域と低域の信号を各々、高音用と低音用のアンプに接続して「2Way マルチアンプ・システム」を構成しています。

 現在使用中のデジタル・チャンネル・ディバイダーは、デジタル・イコライザーを使って室内音響を調整するのが主目的で購入した「TRINNOV ST-2 HiFi 」あるいは「DEQX HDP-4」に内蔵されているものです。

 この2機種共、入口から出口まで全行程がデジタル信号で処理され、最終段でD/A変換されたアナログ信号がパワーアンプに送り込まれるため、音量調整には中段にあるデジタル・ボリュームが使われています。 

 デジタル・ボリュームのメリットは音質劣化が少ないことと言われていますが、その反面、BGM的な小音量で鳴らした場合、せっかくのハイレゾ信号が、16bit あるいはそれ以下まで落ちてしまう、いわゆる「ビット落ち」してしまう可能性があります。 小音量時のビット落ちを回避するにはパワーアンプの入力を絞れば良いのですが、我が家の低域用パワーアンプ(以前はMark Levinson、現在はJeff Rowland)には入力アッテネータは付いていません。

 その改善案としては、デジタル・チャンネル・ディバイダーの出力側にアナログ・ボリュームを付ければ良いのですが、2Wayのマルチアンプ・システムの場合は4ch分、3Way マルチアンプの場合は6ch分のボリュームが必要となります。 これらのボリュームがリモコンで同時に動いて音量調節が可能なこと、さらに音質劣化の極力少ない高品質なボリュームを使用した製品が欲しい、、、そんな自分に都合の良い製品はほとんど販売されていません。

  そんな状況の中、今まで「Accuphase CX-260」という6chプリアンプをデジタル・チャンネル・ディバイダーの出力側に接続し、最終段での音量調整に使って来ました。

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Accuphase CX-260

 このCX-260は、不必要な回路はすべてバイパスさせ入口から出口までダイレクトにすることが可能で、我が家の様にマルチアンプ・システムの最終段の音量調整の目的として使うには好適な機種でした。

 このCX-260を購入する前にも「Tachyon - LOG-ATT」という製品があることをオーディオ仲間から聞きました。この製品も「2Way マルチアンプ用」なら27万円ほどのリーズナブルな価格でした。

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Tachyon - LOG-ATT

 その後もいろいろ情報を集めていたら、DEQXの輸入総代理店が独自開発の新製品を出したとの連絡をもらいました。 https://kurizz-labo.com/KL_product_ATT.html

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KL-AT-6D

 我が家では、TD-4001ドライバー用に金田式DCアンプ(アンバランス RCA)、TL-1601bウーファー用として Jeff Rowland 製のパワーアンプ(バランス XLR)を使っています。 

バランスとアンバランス混在でも使えるのかを確認したところ「KL-AT-6Dはアンバランス方式のATTを12個使用することで、バランス方式の6回路(3 way)を実現しているため、XLRとRCAが混在したシステムでも使えます」とのことでした。

 私はバランスとアンバランスに関して、説明を何回聞いても未だに理解不足ですが、DEQXの総輸入元がDEQXのために開発したのだから間違いはなかろう、ということで購入することにしました。(価格は34万円ほど)

 設計は日本国内ですが生産はヨーロッパとのこと、案の定、一ヶ月ほどの納期遅れでした。 通常の段ボール箱で届くのかと思っていたら、Jeff Rowland 社製のアンプ群を購入したことのある人なら既にお馴染みの、アルミ製アタッシュケースに入って届きました。

製品を眺めてみると、フロントパネルは18ミリ厚のアルミ製、シャーシは5ミリ厚のアルミ板と無垢アルミの角材で組み立てられていて、両サイドは35ミリ厚の無垢リアル・ウッド、、、なかなかのソリッド感、高級感があります。

リモコン自体もアルミの削り出しボディで、Jeff Rowland 製プリアンプ用リモコンの様に、ズッシリ感があります。 

天板を開けて中を覗いてみました。(単に興味本位、、、基板のことは分かりません)

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KL-AT-6D シャーシ内部

このKL-AT-6Dは単なるアッテネータですから、今まで使っていた Accuphase CX-260 と比較して音質が大きく変化することはないと思いますが、大きなメリットは、これでデジタル信号のビット落ちの心配は一切なくなり、アナログ・プリで楽しんでいた頃の気軽さでハイレゾの音楽データを楽しめることになった訳です。