自作「Roon Core」の設計プランができたので、いよいよパーツを集め始めました。
搭載するPCは、Intel NUCを買って来るか、ショップで入手できる小型PCを使うこともできる、今回は富士通 製の小型PCを入手しました。
「空冷+ファンレス 」を実現するためのシャーシとして、ヒートシンク が付いた市販品シャーシ「タカチ HY シリーズ」、これを加工して使うことに決めました。
タカチ HY シャーシ
「ファンレス 」を目指して、ヒートシンク と連結するヒートパイプや放熱グリスも購入したのですが、ヒートパイプを曲げるパイプベンダー(中国製)が1ヶ月以上待っても届かないので、取り敢えず富士通 オリジナル通りの「ファン付PC」のままで完成、これで使ってみることにしました。(手前が小型の冷却ファン、右は500GBのSSD で、これにRoon OSが入っている)
内部にあったLEDランプは、ノイズ軽減(気休め?)のために、SSD へのアクセスランプ などすべて撤去しました。(一個だけフロント・パネルに残し)
自作 Roon Core
「Roon OS」は Linux ベースのシンプルなOSとのことなので、インストール作業も難なく完了するだろうと軽く考えました。BIOS 設定は久しぶりだったので、忘れていたことを思い出しながら、友人達からのアドバイス をもらいながら、やっと「Roon OS」が動く様になりました。
今回の自作「Roon Core」のCPUは「Intel Core i5 」ですが、我家のNAS (DELA N1A改)に入れてある1300枚程度のアルバムの検索ならサクサク作動し、冷却ファンは全く無音のままなので、しばらくこのまま使ってみることにしました。
自作「Roon Core」をLANに接続して、iPad でRoonアプリを立ち上げて、やっとアルバムが iPad の画面に表示されました。
昨年暮れに友人宅で見せてもらった、とても綺麗なRoonの画面です。今まで使っていたLINN社製アプリ(KinskyやKazoo )の様に、曲目リストとアルバムの写真が表示されるだけではなく、30cm LPの裏面にある様な「Liner Notes」が表示される、ここがRoonで気に入っているポイント、Roonを導入した最大の目的です。(例えば、解説文の中にある演奏者名をクリックすれば、その演奏者の解説文に飛んで、、、ほとんど Wikipedia と同じです)
新しいオーディオ製品を試聴する時に、いつも「Kind of Blue」を無意識に選んでしまいます。Mibile Fidelity のSACD からリッピング した96kHz/24bit のファイルですが、このアルバムの聴きどころはいつも同じ「So What」です。
Paul Chambers とBill Evans のリフから始まるイントロは、これまでと大きな差異はありませんが、Miles Davis やJohn Coltrane が入り始めると、中高域が気になります、もう少し「太い中高音」が欲しいところです。
そこで、友人からRoon Coreの製作を依頼されているもう1台の小型PCにもRoon OSをインストールして比較試聴してみました。(110mm四方で50mm高のさらに小型のPCで、Core i 3、4GBメモリー 、128GB SSD です。)
さらに小型のPC
同じく「So What / Kind of Blue」を聴いてみました。 ブラインド・テストなら迷わず、こちらの方がGoodと判断できる音、こちらの方が音に厚みがあり、Jazz向きです。
年初からタカチ製シャーシの加工に時間を費やして製作した自作「Roon Core」より、友人の小型PCの方が良い(少なくともJazz向きの音)という結論は残念でした。
今回のRoon プロジェクトは、昨年暮れから始めてもう4ヶ月やっています。自作「Roon Core」を製作してみて、PCでも音質の違いがあることが分かりました。
たかがPC、されどPCです。まだ付属のACアダプターを使っているので、これをアナログ電源に代替したり、メディア・コンバーター と光ケーブルを使ってノイズ対策をすれば改善できるかも知れませんが、根本的にPCによる音の優劣は、隠しようがありません。
Roon Core用のPC自体に音の差異があることが勉強できたので、それなら本家本元の「Roon Nucleus 」を買って、これを基準にして音作りをして行くことに決めました。
総輸入元のWebサイトを見ると、Roon Nucleus には2グレードの製品があります。
https://taiyoinc.jp/products/roon_nucleus/
標準機「Nucleus 」と上級機「Nucleus Plus」があり、CPUは i3 と i7 の違い、メモリー は4GBと8GBの違いがあります。
気になるのは、標準機「Nucleus 」が「DSP 機能はPCM領域のみ。DSD を使用する機能の組合せ、Up-sampling、Multi Process は使用不可」という機能の限定があること、これに対して上級機「Nucleus Plus」は「全てのDSP 機能が使用可能」となっていること。
内容は何となく理解できますが、実際に使ってみてどれだけの差異があるのか、我が家のシステムで解像度や臨場感の違いはあるのか、デジタル・オーディオに詳しい人からのアドバイス が欲しいところです。