MilesTAD’s Blog

自分の一生涯の趣味として続けているオーディオのブログです。

Roon 導入(4)

 

 今年の初めから音楽再生プラットフォーム「Roon」を導入し、その音質とソフトの完成度の高さがとても気に入って使用していますが、「Roonという企業が、今後も長く存続して行けるのか」という不安は常にありました。

 そして 11月28日に「Harman acquires Roon!」というニュースを見て「やはり、心配していたことがついに、、、」と驚きました。内容をよく読んでみると、買収したのはオーディオの「ハーマン」とのことでした。

 日本におけるハーマン社は、JBLやMark Levinson などの著名ブランドを扱っていて、自分としてはMark Levinson のアンプ修理調整で何回もお世話になり、ハーマン社のサービス部門の親身な対応は非常に満足だったので、今回の買収が「ハーマン社」でむしろ良かった、と考えています。

 ハーマン社自体は現在、SAMSUNG社の傘下にあるので、これで安心とは言えませんが、AKGJBL、Mark Levinson など著名なオーディオ製品を扱う企業の傘下に入ったと考えれば、経営的な安定は期待できるし、他のIT企業などに買収されるよりずっとマシだと思っています。

しかし、今後の開発の方向性に親会社の意向が悪影響を及ぼして、Roonの当初からの「高い志」が曲がって行ってしまうという心配もあり得ます。

 以前は毎月何回も購入していたHDtracks というハイレゾの音楽サイトから、最近では「20% OFF」とか「50$ OFF」などと頻繁に割引メールが届く様になり、だんだんとサブスクリプションに押されているのだろうか、と感じる様になりました。

「Roon」は、自分が収集したNASの音楽データ資産とTIDALやApple Musicなどのサブスクリプションが融合できるのが最大の特徴であり魅力なので、昨今のサブスクリプションの台頭は「Roon」愛好家にとっては、むしろ良い傾向だろうと考えています。

 



 

 

オプティカル・アイソレーション(光絶縁)ー1

 

 

 PCオーディオを手始めに、デジタル・オーディオを初めて約15年、デジタルノイズやネットワーク関係のノイズには、今まで全く気にしていませんでした。 しかし昨年暮、Roonを導入して以来、光ファイバーケーブルに関しての記事が目に止まる様になり、特にルーター以降のLAN環境で「デジタル・ノイズが臨場感に及ぼす悪影響」を知って、やる気になって来ました。

 実際に何を対策すれば良いのか、、、最近のトレンドは「オプティカルアイソレーション(光絶縁)」らしいです。 電気信号を光の信号に変換すれば、確かにノイズは遮断できるのはエレキに弱い私でも理解できますが「電気を光に変換する時に、DACの様に音質が変化するのでは」という疑問も湧いてきますが、重箱の隅をツツいていると前に進めません。

 ハイエンドクラスのネットワークプレーヤーやハブには「SFP端子」と呼ばれる光通信用の端子が付いている機種もあるので、この場合はこれらSFP端子を光ファイバーケーブルで接続すれば、目的の「光ファイバーで電気的ノイズを遮断」が完成します。

 我家の場合はというと、ネットワークプレーヤーにもハブにもSFP端子は付いていないので、今まで通りのLANケーブル(RJ45)で出し、これを光信号に変換して光ファイバーで送信し、今度は光信号から電気信号に変換して、またLANケーブルで出す、という2台の光メディアコンバーターを一体化したユニットを製作すれば完成です。 

自作する場合と市販の「Fiber Box 2」を比較した分かり易い説明図がネット上にありました。

 2台の光メディアコンバーターは、Amazon で入手できます。他メーカーでも出しています。私は2台セットの製品を揃えました。光ファイバーケーブルも、同じくAmazon で「シングル・モード」のケーブルが5本入1200円で買えます。 

Amazon

https://www.amazon.co.jp/dp/B07795LFWF/?coliid=I32YR1DF9P6WS1&colid=JEIU9PIRX9VY&psc=1&ref_=list_c_wl_lv_ov_lig_dp_it_im

 これら2台の光メディアコンバーターを一体化してシャーシに収めた製品が「Ediscreation Fiber Box 2」で、標準モデルが23万円、上級モデルが40万円となっています。 見た瞬間に買いたくなる様なExcellentな外観デザインではないですが、上記の「電気 → 光 → 電気」の変換をこれ1台で済ませるスグレモノです。

 

「OCXOクロックを採用」とか「ByBee Quantum Purifiers素子を採用」「リニア電源」など、エレキに弱い自作マニアでは実現できそうもないスペックが記載されています。

 

 

さて、どの位のレベルのものが自分で製作できるのか、実験しながら、楽しみながら自作でやってみようと思います。

 

追記:

 最下段に「高品質な航空機グレード6061 ソリッド・アルミニウムCNC加工ケースを採用」との記述がありますが、最近の百万円を超える様なハイエンドのオーディオ製品によく見かけるフレーズです。 一般のオーディオマニア諸氏は、すんなり読めるかも知れませんが、多少でも金属材料を知っていれば「奇妙な記述」だと気が付きます。

「航空機グレード6061 アルミ」とのことですが、「6061 アルミニウム」は一般的な切削加工や引抜加工などに適した、加工性に優れた(加工し易い)安価な材料で、決して特別なアルミ素材ではありません。 一般的な用途として、一戸建の家屋やマンション/アパートの窓枠やドアなどに広く使われている「アルミサッシ」の材料が「6061 」です。

同様の記述は日本製の、一千万円を超えるアルミ製エンクロージャーのSPシステムにも見たことがあります。「6061 アルミが航空機グレード??」と機械系の学部の大学生に笑われそうです。

こんな記述をしなくても「Ediscreation Fiber Box 2」は優れた製品ですから、欲しい人は必ず買うでしょう。

良い音を追求している「純真なオーディオ愛好家」を惑わせる様な、ツッコミを入れられる様な奇妙なフレーズは控えた方が良いですね。

 

 

 

ハンガリーのウッドホーン工房(2)

 

 

 Rey Audio マニアのフランス人から紹介されたハンガリーウッドホーン工房では、過去にどの様なウッドホーンを製作して来たのか、興味本位で聞いてみました。

イオニア/ Exclusive は「TH-4001」「TH-4003」、Rey Audio「RH-3」、新井悠一氏がMJ誌上で発表していた「A-290」「A-480」、その他「Tractrix horn」(日本ではWoody&Allen工房が製作しているタイプ) などがある様です。

 ウッドホーンで肝心な材料は、Oak、American Walnut、European Walnut、Cherry など、日本でも知られている硬木ですが「Lebanon Cedar」は初めて聞きました。自分が一番好む「Teak」はあるかと聞いたら、American Walnutの2倍のコストとのこと、日本ではほぼ同じ位のコストなので、世界の国々や地域でいろいろ事情がある様です。

 Rey Audio のRH-3ホーンは、約10年間、我が家で使っていたRM-6Vに搭載されていたので、長所短所は分かっているため、もし今回この工房に発注するならば「山本音響工芸 F280A」にするつもりです。

山本音響工芸 F280A

 オリジナルの山本音響工芸製「 F280A」は、100kg近い重量のアサダ桜の集成材ブロックからCNC木工用三次元フライスで削り出した、1本当たり40kgの重量級ウッドホーン、現在では受注生産ですが新品が手に入ります(1本60万円)。

このサイズと重量の品物が、ハンガリーから発送してどれくらいの送料になるのだろうか、アサダ桜は入手できないとのことなので、American Walnut で見積もり依頼をしたら送料含まず、2本で「6000 USD」とのこと。もっとコストを下げるために「フィンランド・バーチ合板」で製作した場合は2本で「3200 USD」とのことでした。100円/ドルの時代ならリーズナブルと言えますが、現在のレートでは結構な金額になります。オークションやショップに出ているコンディションの良い品物と同じ価格帯になりそうです。

 このウッドホーン工房の「完成品のSPシステム」の写真を送ってくれました。(パリのオーディオフェアに出品した時の写真とのことです) 

JBLの様な15インチではなく、小径のダブルウーファーと3点支持フレームを使ったエンクロージャーは、いかにもヨーロッパ的な雰囲気です。 前述 Tractrix horn を中心としたシステムの様で、奥行きから判断すると、コンプレッション・ドライバーでなく、小径コーン型ユニットをドライバーとして使っているのか、、、後部にある8ヶ所の貫通孔は何だろう、排圧をチューニングしているのか、、いろいろ興味が湧いて来ます。

スピーカー・システム

中音ホーン後部にある貫通孔

 かつての冷戦時代、共産主義体制の東欧諸国の一つだった頃から、なぜかハンガリーという国だけは、1986年を第一回目としてF1グランプリを開催していて、今年2023年7月にも、首都ブダペスト郊外にあるサーキット「ハンガロリンク」にてF1グランプリが開催されます。

こんな本格的なウッドホーン工房があるなら、F1グランプリ観戦もかねて、一度行ってみたいところですが、Google Mapで見ると、ブダペストから東へ行けばウクライナと国境を接していて、少なくとも今年は、まだ気軽に行ける状況ではない様です。

 

 

 

ハンガリーのウッドホーン工房

 

  

 3年前に、Rey Audio RM-6Vを聴いてみたい、とブログに書き込んで来たフランス人のオーディオ・マニアとの交流がまだ続いています。

「我が家で10年間、毎日いろいろやったけど、デジタルEQを使っても結構大変だった。オリジナルのLCネットワークでの音作りは極めて難しいですよ。」とアドバイスしたのですが、バーチカルツインとRH-3ウッドホーンへの憧れが強く、現在の価格(1千万円)をRey Audio に支払うか、それともヨーロッパの工房で特注した方が良いか、一週間と空けずにメールが来ます。

 エンクロージャーはアピトン合板の代わりにバーチ合版を使えば問題なく完成できるけれど、彼の望むウッドホーンRH-3 は、日本で製作していた工房はすでに廃業してしまったので、再生産は不可能です。 それを説明したら、ヨーロッパ中の工房を探してみると言って、一ヶ月以上メールが来なかったのですが、「やっと製作してくれる工房を見つけた」との連絡が来ました。

 そんな物好きな工房があるのか、、、詳細な寸法はRey Audio 社外秘だから、図面はどうやって手に入れたのか、、、ジイさんが一人で手作業やっている様な零細工房じゃないのか?、、、などと心配になって、写真を送ってくれる様に頼んでみました。

(細かい部分の仕上げが分かる様に、あえてオイルスティンやクリア・ペイントする前の、切削した直後の写真を依頼しました)

 また一ヶ月位、メールが来なくなったな、探しているのかな、と思っていたら、沢山の写真が添付されたメールが来ました。 

ハンガリー製 RH-3ホーン

 このハンガリーの工房は、ブダペストから180kmほど西方の町にあり「CNC三次元の木工ルーターを持っている」とのことで、Rey Audio RH-3の様に、合板の部品を組み立てるのでなく、厚さ120ミリ以上ある分厚いバーチ合版を三次元ルーターで削り出し、これを上下に圧着して完成させる製法、現在ではGTサウンドウッドホーンがこの製法で作られています。

後部を加工中

 この製法なら100分台の精度が確保できるし、Rey Audio RH-3の弱点だったサイドの壁(12ミリ合版)が大音量で鳴く、というウィークポイントを改善できるはずです。

このホーンの一番重要な部分、フィンの仕上がりはどうでしょうか、、、、?

この写真を見る限り、丁寧な加工がされていることが分かります。 このフィン部分の加工がいかに難しいか、、、ディフラクション・タイプのウッドホーン製作にトライして、苦労した経験があれば良く分かります。このフィンの部分は本当に大変なんです。

ホーン内部のフィンの仕上がり

あとは概算見積もり、東京までの送料を確認して、私も発注してみようかという気になって来ました。

 

 

 

Roon 導入(3)

 

 

 以前、スイングジャーナル誌の記事で、Jazz/Audio 評論家の寺島靖国氏が Rey Audio を購入する際「シングルWooferの RM-11 にしようか、それともバーチカルツインの RM-6V にした方が良いのか」と迷っていたら、横にいたイルンゴの楠本さんが「シングルのRM-11 で最高の音が出た時、バーチカルツインのRM-6V ならもっと良い音が出ただろうと必ず考えるはずだ、だからRM-6Vにした方が良いと思う。」と言ったので、その通りRM-6V に決めた、という一文がありました。

「標準機 Nucleus で最高の音が出た時、上級機 Nucleus Plus ならもっと良い音が出ただろうと考えるはず、だから上級機を買った方が良い」、、、イルンゴの楠本さんの名言を思い出し、今回は上級機「Nucleus Plus」を買うことに決めました。

 5月連休に入って、我が家に「Nucleus Plus」が届き、実際にラックの上に載せてみると、結構小さい、、、下にあるAccuphase社のプリアンプの半分程度の大きさしかありません。 

 ネットワークオーディオの礎となった「LINN社のKLIMAX DS、DS/2」は、コンパクトなサイズと非常に洗練された工業デザイン (Smile design)、アルミ無垢材から削り出された素晴らしい仕上げのシャーシ、いつか必ずKLIMAX DS/2を、と見た瞬間に感じました。きっと10年後に見ても素晴らしいと感じるであろう不朽の名デザインだと思います。

しかし最近のネットワーク・オーディオの製品はどれも、薄い板金製の貧弱なシャーシ、お粗末な外観デザインの製品が多く「見えない様にラックの裏に隠して使わないと」と考えてしまうくらいモチベーションが下がる製品が多いです。

この「Roon Nucleus Plus」は、10年後に見ても素晴らしいと感じるか否か分かりませんが、Core i7 のフルパワー時の放熱をファンレスで補償するために、シャーシ全体が冷却フィン構造として設計され、目的に適った小型なサイズ、一応「無難な外観デザイン」と言えます。

オーディオ評論家諸氏の記事によると「削り出しシャーシ」とか「アルミ・ダイキャスト製のシャーシ」と説明されていますが、左右の放熱フィンと前後パネルが一体構造であることを考えると「削り出し」で製作するとコストが高くなるし「アルミ・ダイキャスト」としたら左右のフィンがもっと丸みを帯びているはずです。(Accuphase社のパワーアンプ群の様に)だから「押出し加工(Extrusion)」ではないか、と自分的には考えていますが、一般的なExtrusion工程から考えると、これは少々寸法が大きいので実際に何なのか分かりません。Roon社のエンジニアに聞いてみたいポイントです。

上面パネルだけは別体部品で、内部からスクリューで固定されていますが、この上面パネルにCPU(Core i7)が直接取り付けられていて、放熱を確保している構造です。

 

 

Roon 導入(2)

 

   

 自作「Roon Core」の設計プランができたので、いよいよパーツを集め始めました。

 搭載するPCは、Intel NUCを買って来るか、ショップで入手できる小型PCを使うこともできる、今回は富士通製の小型PCを入手しました。

「空冷+ファンレス」を実現するためのシャーシとして、ヒートシンクが付いた市販品シャーシ「タカチ HYシリーズ」、これを加工して使うことに決めました。

タカチ HYシャーシ

ファンレス」を目指して、ヒートシンクと連結するヒートパイプや放熱グリスも購入したのですが、ヒートパイプを曲げるパイプベンダー(中国製)が1ヶ月以上待っても届かないので、取り敢えず富士通オリジナル通りの「ファン付PC」のままで完成、これで使ってみることにしました。(手前が小型の冷却ファン、右は500GBのSSDで、これにRoon OSが入っている)

内部にあったLEDランプは、ノイズ軽減(気休め?)のために、SSDへのアクセスランプなどすべて撤去しました。(一個だけフロント・パネルに残し)

自作 Roon Core

「Roon OS」は Linux ベースのシンプルなOSとのことなので、インストール作業も難なく完了するだろうと軽く考えました。BIOS設定は久しぶりだったので、忘れていたことを思い出しながら、友人達からのアドバイスをもらいながら、やっと「Roon OS」が動く様になりました。

今回の自作「Roon Core」のCPUは「Intel Core i5」ですが、我家のNAS(DELA N1A改)に入れてある1300枚程度のアルバムの検索ならサクサク作動し、冷却ファンは全く無音のままなので、しばらくこのまま使ってみることにしました。

 自作「Roon Core」をLANに接続して、iPadでRoonアプリを立ち上げて、やっとアルバムが iPad の画面に表示されました。 

昨年暮れに友人宅で見せてもらった、とても綺麗なRoonの画面です。今まで使っていたLINN社製アプリ(KinskyやKazoo)の様に、曲目リストとアルバムの写真が表示されるだけではなく、30cm LPの裏面にある様な「Liner Notes」が表示される、ここがRoonで気に入っているポイント、Roonを導入した最大の目的です。(例えば、解説文の中にある演奏者名をクリックすれば、その演奏者の解説文に飛んで、、、ほとんど Wikipedia と同じです)

 新しいオーディオ製品を試聴する時に、いつも「Kind of Blue」を無意識に選んでしまいます。Mibile Fidelity のSACDからリッピングした96kHz/24bit のファイルですが、このアルバムの聴きどころはいつも同じ「So What」です。

 Paul ChambersBill Evansのリフから始まるイントロは、これまでと大きな差異はありませんが、Miles DavisJohn Coltraneが入り始めると、中高域が気になります、もう少し「太い中高音」が欲しいところです。

そこで、友人からRoon Coreの製作を依頼されているもう1台の小型PCにもRoon OSをインストールして比較試聴してみました。(110mm四方で50mm高のさらに小型のPCで、Core i 3、4GBメモリー、128GB SSD です。)

さらに小型のPC

同じく「So What / Kind of Blue」を聴いてみました。 ブラインド・テストなら迷わず、こちらの方がGoodと判断できる音、こちらの方が音に厚みがあり、Jazz向きです。

年初からタカチ製シャーシの加工に時間を費やして製作した自作「Roon Core」より、友人の小型PCの方が良い(少なくともJazz向きの音)という結論は残念でした。

 今回のRoon プロジェクトは、昨年暮れから始めてもう4ヶ月やっています。自作「Roon Core」を製作してみて、PCでも音質の違いがあることが分かりました。

たかがPC、されどPCです。まだ付属のACアダプターを使っているので、これをアナログ電源に代替したり、メディア・コンバーターと光ケーブルを使ってノイズ対策をすれば改善できるかも知れませんが、根本的にPCによる音の優劣は、隠しようがありません。

 Roon Core用のPC自体に音の差異があることが勉強できたので、それなら本家本元の「Roon Nucleus」を買って、これを基準にして音作りをして行くことに決めました。

総輸入元のWebサイトを見ると、Roon Nucleus には2グレードの製品があります。

   https://taiyoinc.jp/products/roon_nucleus/

標準機「Nucleus」と上級機「Nucleus Plus」があり、CPUは i3 と i7 の違い、メモリーは4GBと8GBの違いがあります。

気になるのは、標準機「Nucleus」が「DSP機能はPCM領域のみ。DSDを使用する機能の組合せ、Up-sampling、Multi Process は使用不可」という機能の限定があること、これに対して上級機「Nucleus Plus」は「全てのDSP機能が使用可能」となっていること。

内容は何となく理解できますが、実際に使ってみてどれだけの差異があるのか、我が家のシステムで解像度や臨場感の違いはあるのか、デジタル・オーディオに詳しい人からのアドバイスが欲しいところです。

 

Roon 導入(1)

 

 

 7年ほど前にNet Audio という雑誌で「Roon」の記事を読んで興味を持ちました。料金は Lifetime billingで500ドル程でした。Roonという会社自体が永続的に経営していけるんだろうか、などと考えているうちに興味が薄れて完全に忘れていました。

 昨年秋にオーディオ仲間の一人が久しぶりに遊びに来てくれて、その時に「Roonは導入してないんですか」という話題になり、「ウチは一年以上前から使っていますから、一度聴きに来ませんか」と誘ってもらったので、コロナ禍で2年程ご無沙汰だったお宅を訪問しました。

 彼のオーディオルームはいつも端正な雰囲気、空冷ファンレスのRoon Core 、30インチ以上もある大型のディスプレイに表示されたRoonアプリの洗練されたデザインの画面を見せてもらって、徐々にやる気が出て来ました。

 さて、何から始めようか、、、Roon Core の正規品は、Roon Lab. から販売されている「Roon Nucleus」が2機種あって、標準機 Nucleus と 上級機 Nucleus plus。

  (https://www.oliospec.com/shopdetail/000000008581/

上級機種の方はCore i7が搭載されて、Up-sampling や Multi Process、1万枚以上のアルバムの検索など高負荷の作業向けに推奨されているとのこと、定価は49万円ほどです。

  Roon Nucleus

 いろいろ調べてみると、Roon Nucleusの中身は基本的にIntel NUCベアボーンと64GBの内蔵SSDLinuxベースのRoon OSが入っているだけのシンプルなもの、オーディオ・ルーム用だから空冷ファンレスの方が望ましいだろうと思います。

すぐにはストリーミングはやらないだろうけど、我家ではハイレゾだけならアルバム数は1000枚そこそこ、もし将来1万枚以上のアルバムを検索させる場合やDSD、MQAの音楽データをコンバートさせる様な段階になったら、自作PCならCore i7への交換は簡単だから、と気楽に考えてファンレス用のシャーシで「自作Roon Core」をスタートすることにしました。