Rey Audio マニアのフランス人から紹介されたハンガリーのウッドホーン工房では、過去にどの様なウッドホーンを製作して来たのか、興味本位で聞いてみました。
パイオニア/ Exclusive は「TH-4001」「TH-4003」、Rey Audio「RH-3」、新井悠一氏がMJ誌上で発表していた「A-290」「A-480」、その他「Tractrix horn」(日本ではWoody&Allen工房が製作しているタイプ) などがある様です。
ウッドホーンで肝心な材料は、Oak、American Walnut、European Walnut、Cherry など、日本でも知られている硬木ですが「Lebanon Cedar」は初めて聞きました。自分が一番好む「Teak」はあるかと聞いたら、American Walnutの2倍のコストとのこと、日本ではほぼ同じ位のコストなので、世界の国々や地域でいろいろ事情がある様です。
Rey Audio のRH-3ホーンは、約10年間、我が家で使っていたRM-6Vに搭載されていたので、長所短所は分かっているため、もし今回この工房に発注するならば「山本音響工芸 F280A」にするつもりです。
オリジナルの山本音響工芸製「 F280A」は、100kg近い重量のアサダ桜の集成材ブロックからCNC木工用三次元フライスで削り出した、1本当たり40kgの重量級ウッドホーン、現在では受注生産ですが新品が手に入ります(1本60万円)。
このサイズと重量の品物が、ハンガリーから発送してどれくらいの送料になるのだろうか、アサダ桜は入手できないとのことなので、American Walnut で見積もり依頼をしたら送料含まず、2本で「6000 USD」とのこと。もっとコストを下げるために「フィンランド・バーチ合板」で製作した場合は2本で「3200 USD」とのことでした。100円/ドルの時代ならリーズナブルと言えますが、現在のレートでは結構な金額になります。オークションやショップに出ているコンディションの良い品物と同じ価格帯になりそうです。
このウッドホーン工房の「完成品のSPシステム」の写真を送ってくれました。(パリのオーディオフェアに出品した時の写真とのことです)
JBLの様な15インチではなく、小径のダブルウーファーと3点支持フレームを使ったエンクロージャーは、いかにもヨーロッパ的な雰囲気です。 前述 Tractrix horn を中心としたシステムの様で、奥行きから判断すると、コンプレッション・ドライバーでなく、小径コーン型ユニットをドライバーとして使っているのか、、、後部にある8ヶ所の貫通孔は何だろう、排圧をチューニングしているのか、、いろいろ興味が湧いて来ます。
かつての冷戦時代、共産主義体制の東欧諸国の一つだった頃から、なぜかハンガリーという国だけは、1986年を第一回目としてF1グランプリを開催していて、今年2023年7月にも、首都ブダペスト郊外にあるサーキット「ハンガロリンク」にてF1グランプリが開催されます。
こんな本格的なウッドホーン工房があるなら、F1グランプリ観戦もかねて、一度行ってみたいところですが、Google Mapで見ると、ブダペストから東へ行けばウクライナと国境を接していて、少なくとも今年は、まだ気軽に行ける状況ではない様です。