MilesTAD’s Blog

自分の一生涯の趣味として続けているオーディオのブログです。

ホーン&ドライバー研究(4)

 

  

 我家で約10年間、レイオーディオRM-6Vを使って来ていつも気になっていたのが上下のウーファーの中間にある「RH-3」ウッドホーンの両側板が、特にベース・ソロを再生している時に指先で両側板を触ってみると微振動していることでした。

RM-6Vのエンクロージャーは、フロント・バッフルが55mm、それ以外のパネルが25mmの厚さのアピトン合板に補強材を入れた構造となっていて、TL-1601bウーファー2基の音圧で無用な共振を起こさない設計となっています。 しかし、RH-3ホーンの両側板だけは厚みが「10mm程度」の薄いイタヤカエデ合板で、ここがRM-6Vのエンクロージャーで最も板厚の薄い部分です。

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両側板が共振する

 レコーディングスタジオから払い下げられた中古のRH-3ホーンの中には、スタジオ・エンジニアの手で「補強材」が追加されていたり、エポキシ・パテでデッドニングされていたり、やはりホーンの両側板が共振しているのに気がついて、プロ達によって補強が施されていたことが分かりました。

私のRM-6Vの様に比較的後期の製品になると、出荷時から補強が施されたモデルとなりましたが、それでも両側板の微振動は止まっていませんでした。

Milt Jacksonヴィブラフォンが鳴っている時にベースの低音が重なると、妙にヴィブラフォンの中高音が変調して聴こえる、、、原因はおそらく両側板の微振動が原因だったのだろう、、、と今にして思います。

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両側板の補強

 現在の我家のSPシステムは、エンクロージャーの上に「山本音響 F-310 + TD-4001」を置いて使っていますが、アサダ桜集成材製のウッドホーン特有の極めて小さな鳴きを伴った明るい音質でとても気に入っています。

しかし前述、RH-3ホーン両側板の微振動の問題は、RH-3ホーンをエンクロージャーの内部に収めるからウーファーの音圧で両側板が共振するのであって、エンクロージャーの上に設置すれば、きっと微振動のないテッドな音が聴けるに違いないと考えると、すでに手放したRH-3ホーンを、再度入手して聴いてみたくなって来ました。

  30年ほど以前は、一般のオーディオショップでもRH-3ホーンを発注できたらしいですが、現在では全く市販はされていないので(直接レイオーディオへ電話してもその場で断られるらしく)、中古品以外は全く入手は困難の様です。

 ところが昨年暮れ、国内でRH-3ホーンの複製品を作ってくれそうな業者があることを知り、打ち合わせのために名古屋まで行って来ました。当日は現物が間に合わないとのことで、写真だけで話をしました。 

下の写真は彼らの「TH-4001」ですが、なかなかの仕上がり具合です。 材料はアピトンでもイタヤカエデでもなく一般的な「フィンランドバーチ」ですが、左右一組の価格が15万円前後とのこと、これなら検討する価値は十分にあります。 なおRH-3ホーンの製作も可能とのことで、今後詳細を詰めて行くつもりです。

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TH-4001のクローン

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細部の仕上げも良好