幾つかの中古オーディオ販売店にも予約を入れているのですが、どこからも連絡がなく、これでは当分の間は肝心要のウッドホーンは入手できないか、と考えていたところ、「山本音響 SS-300」の出物があるとのことで、すぐに見せてもらいました。
中古なので多少のキズはやむをえない、何の問題もなさそうなので、すぐに買って帰りたい、、、しかし、ウッドホーンの一番肉厚の部分に長さ40ミリ程度の細い「割れ」を見つけてしまいました。
光の当て方によっては見つけられない程の細い割れ目ですが、、、残念ながら購入は諦めました。
今までウッドホーンやオーディオラックなど木工製品を使って来ましたが、高品質を誇る山本音響工芸製のウッドホーンといえども、販売されてから20年以上経過し、その間の使用環境の良し悪しによっては「アサダ桜集成材」に割れが生じてしまう可能性もあるんだということを知り、オーディオルームは「乾燥し過ぎ」と「湿気」はどちらもダメ、ということを勉強できました。
「山本音響工芸 F280A」に関しては、どこの販売店からも連絡は一切なく、「待ち」の状態が続いています。 レイオーディオを導入する少し前、山本音響工芸製のF350MkIIというホーンとHD-4001ドライバーの組合せを使っている頃、山本茂樹氏から「輸送中のキズを修正したB級品のF280を40% Offでいかがですか」というお誘いを頂いたことがあったのですが、当時はレイオーディオを買うことばかり頭の中がいっぱいで、お断りしてしまいました。 今にして思えば何と惜しいことを、、、「チャンスは2度来ないと思え」という言葉が今、身にしみています。
山本茂樹氏が、初めてサイドカーブ・ディフラクションホーンを「MJ無線と実験 1983年1月号」に製作記事を発表したことを覚えています。 1983年当時、Exclusive 2401(パイオニア)はまだ未発表、レイオーディオが発足したのが翌年の1984年ですから、この山本茂樹氏の「サイドカーブ・ディフラクションホーン」は彼のオリジナルの製品ではないかと思います。(要確認)
今回SS-300の出物があったけれど「割れ」があってボツ、F280Aは何ヶ月も出物がない状態、、、こうなったら新品を買ってしまおうか、と考えていたら「F310」の出物がありました。
「F310」は山本音響工芸の製品の中では一番数が少ないレアな製品、私も今まで実物を一度も見たことがありませんでした。
外観的にはベストセラー「F350MkII」によく似ていますが、一回り大柄でカットオフが「310Hz」、ホーン内部に4枚のフィンがある典型的なディフラクション・ホーンです。 サイドの板はブナ圧縮合板を使っているので、内部のサイドカーブが外側にもそのままの形状が表れていて、非常に美しいフォルムを持っている(この部分はF280Aよりも美しいです)、私の大好きなデザインです。
ホーンの高さは200mmで「F350MkII」と同じ、横幅は680mmで「SS-300」の620mmよりもワイド、昨年まで使っていたレイオーディオ製RH-3とほぼ同じです。
下の図面にもある様に、内径2インチ(φ50)のスロート部から上下の絞り込みは一切なく、ホーンの入口から徐々にホーン高さが変化していく、山本音響工芸ホーンの特徴が具現化されたディフラクション・ホーンの形状です。
このF310はワンオーナーとのことで、キズも少なく「状態は良い」と言えます。今回はこれを買うことに決めました。これで次期システムのウッドホーンも決まりました。
相変わらず「F280A」は欲しいけれど、いつかは手に入れたいけれど、待っていても出物がなければ先へ進みません。 どうしても欲しければ、山本茂樹氏はまだご健在なので新品の入手は可能(受注生産:3ヶ月納期)、しばらくはこのF310を楽しんでいこうと思います。