MilesTAD’s Blog

自分の一生涯の趣味として続けているオーディオのブログです。

ウーファー用エンクロージャー(5)

 
 
 分厚く重いバーチ材(40ミリ厚)を全面に使い、強固な補強材も入れたので強度的には十二分、それにこのエンクロージャーが「終活」の集大成、だから外観はウレタン塗装などでなく、やはり1950~60年代のJBL製品の様に高級感のある「ウォルナット+オイル仕上」にしたい、、、しかしツキ板は自分で貼るか、それとも木工所に依頼すべきか?
 
 正式発注する直前になって座間市のFW社に電話して「もしウォールナットのツキ板貼りの仕上げにすると、どれ位の見積額になるんでしょうか?」と試しに聞いてみました。 あまり高いのなら自分でツキ板を貼ろうと考えていましたが、一週間後に届いた見積書を見て驚きました。 自分の予想よりもはるかに安く、「この見積もりでイイんですか?」と聞きたくなる程の良心的な見積額でした。 
 
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 上面と両側面(左右)と前面バッフルの合計4面にウォールナットのツキ板を貼ってもらうと工賃は4万1千円、5分ツヤのウレタン塗装と比べても3千円しか高くなっていませんでした。
 
 塗装よりツキ板貼りの方がはるかに時間もかかるし失敗する可能性も高いはず、というのが過去の自分の経験値からの予想見積もりでしたが、プロの家具職人にとってはどちらも大して変わらないのかも知れません、この良心的な見積額がそう言っています。
 
 上面と側面(左右)と前面バッフルはウォールナットのツキ板貼り、バーチの積層面が見える「木口」にはすべて、無垢ウォールナットの角材(25ミリ厚)で額縁を貼り付けるとのこと、、、これが特注家具屋さんの「いつもやっている方法」とのこと、何と素晴らしい!
もう即決で「塗装はやめにして、ウォールナットのツキ板貼りで」とお願いしました。
 
 「JBL Baron」のC38エンクロージャー(下の写真)のサランネットは、通常のエンクロージャーの様に手前方向に外すのではなく、写真に見える「アルミ脚」の側にスリットがあり、ここから下に引き抜くようになっています。(つまりエンクロージャーを倒す必要がある)
 なぜこの様な複雑(不便)な設計にしたのか、デザインの経緯は不明ですが、外観デザインを最も重要視していたこの時代のJBL社らしいところです。
 

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 しかし、この方法をそのまま採用すると、サランネットを外すために100kgを超える重量のエンクロージャーを毎回、横に倒す必要があるので、今回は通常の様にサランネットに「キャッチ」を取り付け、通常のエンクロージャーの様に手前方向に外す設計にしました。
 
 当時のJBL C36 Viscount、C38 Baron、C40Harkness にはすべて上の写真にある「アルミ製の脚」が使われていて、これがJBLの洗練された外観デザインとして認知されていますが、私のエンクロージャーはユニットや砲金製の補強材を合計すると130kgを超えるので、この華奢なデザインの脚は強度的に非常に心配、、、よって今回はアピトン合板を積層して自作したウッドブロックを採用することにします。
(将来、どうしても上の写真の様なデザインの「アルミ製の脚」を使いたくなったら、JBL社の昔の図面は入手できたので、それをジュラルミンかチタンで製作することにします)