MilesTAD’s Blog

自分の一生涯の趣味として続けているオーディオのブログです。

金田式DCアンプとハイエンド・オーディオ(2)

 
  

 西新宿にサンスイショールームがあった頃、毎月の試聴会の後で話をすることができた故岩崎千秋氏から、Jazzサウンドの再生に大切なのは「点音源と低域の立ち上り」だと聞かされ、トゥイーター無しの「JBL D130」フル・レンジ1本で構成していた私のシンプルなSPシステムからも、金田式DCアンプのおかげてキメ細かく繊細な(?)高域も再生できるようになりました。 その後、金田式DCアンプは大きな改革が何回もなされ、新型の回路が発表されるたびに私はプリント基板を作り変え、時にはシャーシを新規に製作して、金田式DCアンプの製作を楽しんで来ました。 

 当時は「ハイエンド・オーディオ」という言葉はまだ無かったと思いますが、高級オーディオ市場では「Mark Levinson」のアンプが注目を浴び始めていました。このMark Levinson の登場によって、トランジスタ・アンプが完全に高級真空管アンプと入れ替わるきっかけとなったように思います。 ドライブ段にもパワー段にも安定化電源を使っているのは、金田式DCアンプとMark Levinson だけ、という記事を読んで、自分達のアンプは「Mark Levinsonと同じレベル」と、同年代の仲間と集まって誇らしげに語っていたのもこの頃でした。

 現在の我家では、低域はMark Levinson No. 23 が2台、中高域は金田式DCアンプでRey Audio RM-6Vをドライブしています。以前はプリもMark Levinsonでしたが、DEQXの導入によって現在のシステムになりました。

 オーディオ雑誌あるいはマニア諸氏のブログを訪問してみると、金田式DCアンプのユーザーは、音研やアルテックなどを使ったホーン・システムが中心で、B&WやWilson Audio(あるいはRey Audio)などのSPシステムを使っていらっしゃる例をあまり見かけません。

 逆にいわゆる「ハイエンド・オーディオ」のユーザーは、ゴールドムンド、ジェフ・ローランド、ヴィオラ、チェロ、Mark Levinson等をオーディオ・ラックに並べていますが、金田式DCアンプを使っていらっしゃるマニアは見当たりません。 私が愛用している「Rey Audio」に関して言えば、Rey Audio/JMFのパワーアンプを組み合わせるのが主流で、あまり他の使用例を知りません。(以前、FMアコーステックで3Wayを構成している方がいらっしゃいましたが、、、)

 そして残念なことに今まで、ステレオ・サウンド誌など一般のオーディオ専門誌で、金田式DCアンプが他のハイエンド・オーディオ・アンプと比較試聴されたことはありません。 ジェフ・ローランドと金田式DCアンプを比較したらどうなのか、ゴールド・ムンドとはどれ位違いがあるのか、オーディオ評論家諸氏がどの様に評価するのか、興味が尽きません。

 我家での金田式DCアンプとMark Levinson の比較では、金田式DCアンプの低域は不満で、中高域に関しては、音の静かさと空間表現に関して金田式DCアンプにアドバンテージがある、という結果を得ています。 

 自作派が好んで製作しているアンプと企業が開発費を投じて生産するアンプ、これらを比較する価値があるのかどうか、市場での評価との兼ね合いなど、実際に実施するのは非常に難しいかも知れませんが、いずれかのオーディオ専門誌で一度、オーディオ評論家諸氏を集めた比較試聴の記事が掲載されたら、と期待して待っています。 自作マニアは、自分が「井の中の蛙」であるか否か再確認できるでしょうし、各メーカーも最新技術に遅れを取ることなく、次期製品開発の参考にできるのではないかと思います。