MilesTAD’s Blog

自分の一生涯の趣味として続けているオーディオのブログです。

Buffalo DELA N1A 改造 その(6)

 

  

 拙宅の「全ての音楽データ」を格納している「DELA N1A」の改造は、4年前に「改造 その(5)」を書いた後、そのまま止まったまま放置状態でした。

 しかし先日、京都で素晴らしく解像度の高いサウンドを聴くことができたので、オーディオのモチベーションが高まって来て、「DELA N1Aの改造」を再開しました。

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DELA N1A (NAS)

 改造用の部品の設計は完成し、すでに加工が終わった部品も手元にあるのですが、取り付けるだけの状態のままで2年以上放置していました。(大容量のHDDに換えた時に、ついでに取り付けよう、、、)

 

今回の改造の目的は下記の2点です。

 (1)HDDの発熱対策(HDDの耐久性向上)

 (2)鉄製シャーシの補強(音質の改善)

 

HDDの故障原因の大半は「本体の発熱」であることは周知の事実です。

夏場(室温27度)に2時間ほど作動させている時に「DELA N1A」の上カバーを開けて2台のHDDを触ってみると、これが結構な温度になっています。「DELA N1A」のケースには、オーディオ機器(アンプ等)にある様な、放熱用のスリットがない、、、これが常に心配の種でした。

 対策用部品を設計する前段階の実験として、HDD本体に放熱用として0.8mm厚の銅板(名刺2枚分程度の面積の銅板)を取り付けて(空冷)、2時間作動させてみると「なるほど、この温度なら心配ないだろう」と感じられるほどの温度低下の効果が確認できました。 本体カバーに放熱用のスリットなど無くても、HDDの熱をシャーシ全体に逃がせば、これで十分に解決できるだろうという設計です。

 「放熱」目的とHDDの「振動抑制」を目的として、10mm厚の銅プレートを材料として「HDDマウント」を設計しました。(下の写真)

ダイヤモンドや銀についで熱伝導率の良い「銅」を使って放熱効果を高め、第一目的である「HDDの耐久性向上」を狙っています。

今回製作した「放熱、振動抑制」目的の銅プレート(10mm厚)は、寸法は「100 x 200 x 10 mm」で、メンテナンスの利便性を考慮しながらも、放熱効果と重量増から最大限の寸法としました。 重量が1台当たり2kg あり、この重量でHDDディスクの回転による微振動を抑え込み、同時にHDDの回転音も減少させます。

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10mm厚 銅製マウンティング・プレート

 下の写真が「DELA N1A」のノーマル状態ですが、4ヶ所のラバーでフローティングされた状態で本体シャーシにビス止めされています。 純正のマウンティング・フレームは鉄製で、熱的にはシャーシから完全に浮いた状態なので、熱伝導による放熱はほとんど期待できません。

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DELA純正 鉄板製マウンティング・フレーム

 さて、下の写真の様に、銅製マウンティング・プレートに取り付けた2台のHDDを本体にインストールしました。 幅があと10 mm程度広くても良かったかも知れませんが、これでも重量が合計4kg 増えています。

HDDから発生した熱は、まず10 mm厚の銅プレート全体に伝導し、この銅プレートが広い面積で本体シャーシに接していますのでシャーシ全体に熱伝導して放熱します。

シャーシの材料は「鉄」ですので銅プレートよりも熱伝導率は下がりますが、ノーマルの状態からは数十倍の放熱面積がありますので、最終的な放熱量は10倍以上は増えています。

(この銅製マウンティング・プレートは、既存のビス孔で固定され、本体シャーシは無改造ですので、もし修理などでメーカーに送る場合でも、すぐに購入時の姿に戻すことが可能な設計としてあります)

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N1A 本体に組み込んだ状態

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5mm厚のアルミ板とTAOC TITE-25インシュレータ

 鉄製シャーシの「補強」と「放熱」の効果をさらに高めるため、本体シャーシの裏側に「5mm厚(重量1.8 kg)」のアルミ板と「TAOC TITE-25」インシュレータをビス止めすることによって、N1Aのシャーシは完全にソリッドな構造になりました。(5mm厚のアルミ板は、この1枚の上に60kgの人間が乗っても、全く変形しない程の強度があります)

 

 放熱効果は明白ですが、元々の本体重量が7kgのN1Aに、合計重量5.8 kgの補強材を追加した本体重量「12.8 kg」の「N1A改」のサウンドはどう変わるのか、、、デジタル機器なので、音の改善があるのかどうか、、、完成後の試聴が楽しみです。