MilesTAD’s Blog

自分の一生涯の趣味として続けているオーディオのブログです。

エンクロージャーの調整(1)吸音材の取り出し

 

  

 2018年の冬に完成した現在のSPシステムは、それまで10年間愛用して来たRey Audio RM-6Vが、40cmのダブル・ウーファーで4本の大径ダクトを配した縦型のバスレフ・エンクロージャーだったのに対し、シングル・ウーファー+密閉箱という形状変更をして、TADの同じユニットを使っていても、この部屋においては以前よりも好ましい結果を得ることができました。

 オーディオ仲間達には「今後は吸音材の量を調整したりして、チューニングして行くつもり」などと前向きなことを言ったものの、何もせずに一年以上が経過してしまいました。

 現状でもクラシックは良い音で鳴っている、室内楽だけならこれで十分、シンフォニーも密閉箱に特有の「真面目な低域」で満足していました。 しかし本命のJazzに関しては少しずつ不満が出始めました。好んで聴いているハードバップの熱い雰囲気が伝わって来ない、「楽譜通りに演奏していますよ、何が気に入らないのでしょうか」と言っている様なシラけたベース演奏、、、。Milt Jacksonを除いてあまり好きでないMJQだって、こんな熱の入らない演奏ではなかったはず、「ウッド・ベースの音はもっと弾力が欲しい」「キック・ドラムの音はもう少し、、、」とRey Audioが懐かしく思い出され、いよいよチューニングをする時期が来ました。

 これまでバスレフやバックロード・ホーンはいくつも製作しましたが「密閉箱」はこれが初めてなので、どれくらいやったらどう改善するのか、というチューニングの「さじ加減」が今ひとつ分かっていません。 バスレフなら、ダクトの長さや断面積を変えたり、吸音材の量や位置をいじったり、改善のポイントがいくつもあるのですが、密閉箱の場合は中にある吸音材の量を変えること、そして位置を変えてみる程度です。

 現在のエンクロージャーは42ミリ厚のバーチ材を使ったので、外形寸法は比較的大きく見えますが、実際の内容積は丁度300リッターで、奥行640ミリの中間位置にある補強枠からリアバッフルまでの後部の空間に吸音材(アクリア、密度36kg)を充填しています。

f:id:MilesTAD:20200217180257j:plain

エンクロージャー内部、中間位置にある補強枠

 前半にあるウーファー・ユニットの周囲の壁にも吸音材を2重に貼り付けていたのですが、今回、これらの吸音材をすべて、半分の量まで減らしてみることにします。

  Rey Audio RM-6Vの頃と比べれば全高は半分なので気分的には楽ですが、総重量は150kgを超えているので、ジャッキ・アップして台車に乗せて移動という重量物コースは避けたいし、大雑把な自分としては珍しくレーザー測定器を使ってミリ単位で位置を調整したので移動させたくありません。 そこでエンクロージャーの位置は動かさずに、後ろにあるサーロジックの反射パネルを移動させてスペースを作り、何とか吸音材の出し入れを進めてみることにします。

 後ろのサーロジック・パネルとエンクロージャーとの狭いスペースに入って、30本以上のM6スクリューを外して行くのですが、半分以上のスクリューが多少なりとも緩んでいました。 一年前の組立時には、材料が(金属でなく)木材であるため、M6スクリューの標準締付トルクの80%にトルク・ドライバーを設定して締めたのですが、予想はしていたものの、やはり緩みが生じていました。これはウーファーの振動で緩むのではなく、バーチ材の厚み方向の収縮が原因です。M6スクリューのピッチは「1mm」ですから、仮にバーチ材が厚み方向に0.1ミリ収縮したとすると10%の緩み、角度計算すると36度の緩みになり、感覚的にもこの程度の緩みでした。(Rey Audio RM-6Vはアピトン合板でしたが、やはり一年に一回は増し締めしていました)

f:id:MilesTAD:20200217172831j:plain

リヤ・バッフルを外す

 Fostexの小口径のフルレンジ・ユニットの様に「木ネジ」を使えば、ネジ部が木材に食い込むので緩みは少ないのですが、40cmウーファーの重量と振動を保持するには、やはり木ネジでは何回も取り外しができないので定石通りに「埋込ナット」を使っているのですが、スプリング・ワッシャーでは吸収できていなかったことになります。

 なお今回使っている「M6六角穴スクリュー」は、一年前の製作時にモノタロウで購入したものですが、中国製らしくネジ部の加工が粗雑なスクリューだった様です。組み立ての時には1本ずつ確認せずに使ったので、今回の取り外し中に5本のスクリューにカジリが発生して「埋込ナット(亜鉛製)」の雌ネジにダメージが発生していました。これを機会に1本ずつ、M6ダイスでネジを切り直し、埋込ナットもM6タップとグリスでネジを切り直して補修しました。 中国製の安価なスクリューは避けた方が懸命な様です。

 リヤ・バッフルを取り外すと、充填された吸音材が見えます。 後半部分に充填してあるこの吸音材を、今回は「半分」に減らします。

f:id:MilesTAD:20200217182932j:plain

リヤバッフルを外した

実際には、奥(中央付近)にある2層の吸音材を取り出し、リヤバッフルの前にある1層だけを残すことになります。 

f:id:MilesTAD:20200217183345j:plain

奥にある2枚の吸音材を外す

 フロント・バッフルを外し、ウーファー・ユニット周囲の吸音材を取り外して行くと、偶然の発見がありました。「どこかに置き忘れたのだろうか?、不燃ゴミと一緒に捨ててしまったのだろうか?」と諦めていた木工用の「半丸ヤスリ」が、エンクロージャー内部に置き忘れているのを見つけました。 たまにはバッフルを開けてみると、ラッキーがある様です。

f:id:MilesTAD:20200217202938j:plain

フロント・バッフルを取り外した

 今回のチューニングで取り外した吸音材は、結構な量になりました。外寸から概算すると70リッター程度はありそうです。 こんなに大量に取り出してしまって大丈夫か、これがどんな結果をもたらすのか、今後の測定結果、そして試聴が楽しみです。

f:id:MilesTAD:20200217204125j:plain

取り出した大量の吸音材