リヤ・バッフルを取り付け、フロント・バッフルもウーファー・ユニットのターミナルの極性を確認して取り付け、最後にスクリューを全部締め終わりました。
ここからTRINNOVの設定を始めます。 このままの設定でも音は出せるのですが、吸音材が大量に充填されていた先週までの設定はそのまま残し、新たに今回、半分の吸音材を取り出した現状のオプティマイゼーションを行ないます。
この部屋の横幅(3450mm)を測って、その中心線の位置に置いた測長器のレーザー光で、リスニング・ポイントに設置したTRINNOV社の「3Dマイク」の位置合わせを行ないます。 輸入元のステラがデモに来た時には、ただ単にソファの背もたれに3Dマイクを置いただけでしたが、我家では測定時はソファを後ろに下げてリスニング・ポイントに設置した三脚にマイクを取り付け、FrontとCenterのマイクが中心線上になる様にレーザー光で位置を合わせ、これによってLeftとRightのマイクも一直線上に並び、この状態で測定しています。しかし今写真を見ると、マイクホルダーの垂直度が少々傾いてしまっている様です。(この様な厳密な位置合わせが必要なのか否か私は知りませんが、自己満足の世界かも知れません。)
3Dマイクの位置合わせを正確にしないと下図の「Optimizer Position」に現れて来る様です。見なければ気になりませんが、一度見てしまうとズレが気になります。
「Quantity of Early Reflections」はデフォルトの「3 cycles」に設定して、これは効き目がありそうですが、増減どちらにすれば良くなるのか。「FIR EQ」の設定もデフォルトでは「None」になっていますが、どの様に使うのか、直接フランス本社に問い合わせてみました。 メールでエンジニアが明確なインストラクションをくれたので、今回のチューニングが完成したら、実際に細かい設定をやって、その効果を確認してみるつもりです。
我家でのクロスオーバーとスロープを設定して「Calibration」を行ない、最後に「Next Step」ボタンをクリックすると、あとはTRINNOVが最終プロセスまで自動でやってくれます。 内部で解析演算が終わるまでに3分間ほどかかり、このプロセスが内部にあるCPUに一番負荷がかかると思いますが、数ヶ月前から静音性向上のためクーリング・ファンを2基とも止めていても、今回も全く問題はありませんでした。
下図が「吸音材を半分に減らした場合」の測定データです。
そして下図が以前の「吸音材を充填していた場合」の測定データですが、差異は小さいです。 500Hz周辺を見ると、吸音材が多い効果なのか、ピーク/ディップが低い様ですが、両者を比較しても大きな差異ではありません。
上図のデータに基づいてTRINNOVが適正化を施したものが下図です。TRINNOVが全部やってくれますが、それでも多少は自分の好みを加えたいので、事前に「Target Curve」で2k〜4 kHz辺りを3 dB程度絞り、「Limiter Curve」のデフォルト設定 (+6 dB) が50 Hz辺りにある定在波のディップを6 dB持ち上げているのが確認できます。
ちなみにインパルス応答のデータも比較してみましたが、これも大きな差異はありません。 Afterと表示された「補正後のデータ」は、TRINNOVの補正によって両者の差異がさらに少なくなっていることが分かります。
Group Delay(群遅延)の測定データも採取していますが、密閉箱だからバスレフよりもっとシンプルなカーブを期待していたのですが、補正後(After)でも結構荒れています。マイクの位置が3mと遠いのでその影響があるのかも知れません。データを見る私の理解度が低いので、これらのデータを活かしきれません。
TRINNOVのアルゴリズム、細部に渡る設定は理解するまでが難しいですが、自分の今後の課題であり、大きな楽しみでもあります。
今回の「吸音材の取り外し」には、M6スクリューと埋込ナットの補修も行なったので合計2日間を費やしましたが、さて、実際に音楽を聴いてみて、何か違いがあるのかどうか、、、。