MilesTAD’s Blog

自分の一生涯の趣味として続けているオーディオのブログです。

東京郊外のホテルでModern Jazz


 

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 今年の8月で60歳なので「定年退職のお祝いに」と女房が予約してくれた東京郊外の広大な公園の森の中にある洒落たホテル。  ここはオークラ系列のホテルとのことで、平日だったこともあって、とても静かな雰囲気を楽しむことができました。

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 ホテルでディナーといえば、近頃は洋食ばかりだったので、今回はあえて和食のフルコースを選んでみたのですが、正解でした。 このホテルの和食はとても薄味で、出てくる料理がどれも非の打ち所がないほど美味しく、近年これほどの和食は食べる機会がなかったと思えたほどでした。

 美味しい和食のディナーを楽しんだ後、部屋に引き上げる途中で偶然、エレベーターのドアの側に「Monday JAZZ NIGHT」というポスターが掲げてあるのを見つけました。                  

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「せっかく来たんだから、行ってみましょう」と女房に誘われて、午後9時からのセッションに参加することにしました。

 陽が落ちて少し暗くなった広い森の向こうに東京郊外の夜景が見渡せるホテル最上階のカクテル・ラウンジに行ってみると、Jazzを聴くにはとても良い雰囲気。

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そのラウンジのエントランスでは、中平穂積氏のジャズ写真展が開催されていました。1950、60年台の Mailes Davis や Bill Evans などの写真が展示されていて、ホテルのカクテル・ラウンジにしては、かなり本格的な雰囲気でした。  

 中平穂積氏といえば、新宿のDigとDugの経営者、そしてジャズ専門の写真家として広く知られていますが、壁に掛かっていた写真は以前、スイングジャーナル誌などで見た事のあるもの。 このBill Evans の写真は高校生の時、SJ誌の折込みを壁に貼って悦に入っていたものでしたが、今回はその折込み写真のオリジナルそのものを見ることができました。               イメージ 2

 さぁ〜て、いよいよセッション開始の時刻になってステージには現れたのは、何と小柄な30歳代の女性ばかりのバンド。 

 こういう場所ではよくある女性ジャズボーカルのピアノ・トリオだろう、などと予想していたのですが、メンバーが全員女性のクインテットとは、、、「あれれっ、大丈夫なのかな、、、」などと少し心配になって来ました。 

 

 しかし、演奏が始まったら、、、驚きましたねェ。

彼女たちが演奏し始めたのは、カクテル・ラウンジでお決まりの静かなジャズなどではなく、いわゆる典型的な「ハード・バップ」だったのです。 

 テナーサックスやトランペットなど、音量は多少控えめでしたが、女性プレーヤーばかりのバンドなのだから、これはもう上出来の部類!

一曲めを終えて、次の演奏曲を軽妙に紹介するトロンボーンの女性奏者からは、ホレス・シルバーデューク・ジョーダンクリフォード・ブラウンなど、往年のハード・バップの名プレーヤー達の名前が語られ、その演奏もホットなメインストリームのハード・バップそのもの、、、とてもご機嫌な演奏でした。

 

 我家から車で30分程度、東京の郊外のホテルで、こんなご機嫌なモダン・ジャズの演奏が聴けるとは思いませんでした。 定年退職祝いのディナーをセットしてくれた女房に、大いに感謝した次第です。

 

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