MilesTAD’s Blog

自分の一生涯の趣味として続けているオーディオのブログです。

Live at Village Vanguard

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 ハード・バップからモードへ転換するトリガーとなり、ジャズの歴史に大きな影響を与えた Miles Davis による1959年の「Kind of Blue」。その中で重要な役割を担ったビル・エバンス、その彼の独立後の代表的アルバム、いわゆる「リバーサイド4部作」と呼ばれている作品群があります。
 
 この4枚のアルバムの中で、1935年の開業から今に至るまで連綿と営業を続けるマンハッタンの名門ジャズ・クラブ「ヴィレッジ・バンガード」。 ここで同日にライブ録音された2枚のアルバム、「サンディ・アット・ザ・ヴィレッジ・バンガード」と「ワルツ・フォー・デビィ」の中には「地下鉄の騒音」が入っていて、以前からジャズ・ファンというよりも、むしろオーディオマニアに楽しまれています。
 
 
 
 「地下鉄の騒音?、それが何んだ?、、、」と一般の音楽ファンには白い目で見られそうですが、ジャズは元々、恵まれない環境で育まれ発展して来た黒人達の音楽。針の落ちる音が聴こえる程の静寂から前奏が始まるクラシック音楽の演奏会場とは全く異なり、音響的には決して好ましくないマンハッタンの地下にあるジャズクラブ、そこでのライブ録音という特殊な録音環境は、ジャズの最もジャズらしい側面をとらえた録音という意味で、私はこういったジャズクラブでのライブ録音盤を特に好んで聴いています。
 

 この2枚のアルバムの中では、ビル・エバンス・トリオの演奏中でさえも、常にガヤガヤとヴィレッジ・バンガード店内の会話が聴こえ、コーヒーカップやグラスの音がします。 例えば5曲目の「SOME OTHER TIME」の最初から15秒目辺りに「ゴドゴド」という低い地下鉄の音が収録されていて、特に右側のSPから聴こえます。 実際にマンハッタンのこの店を訪れた時、注意深く聴いてみたのですが周囲の喧噪で地下鉄の音などとても聴こえて来ませんでしたが、マスター・テープにはこんな音(環境音)までシッカリと収録されているのが驚きです。 
   
 
HDtracksからダウンロードしたHi-Resファイル「Waltz for Debby (192kHz/24bit)」には、下記の9曲が収録されていますが、5曲目以外でも例えば1曲目の「MY FOOLISH HEART」や2曲目の「WALTZ FOR DEBBY」にも、途中で地下鉄の騒音が収録されていて、いかにも「自分は今、マンハッタンの地下、ヴィレッジ・バンガードにいるんだ」という臨場感を自分のオーディオルームで楽しむことができるのです。

  

 1 MY FOOLISH HEART   
  
 2 WALTZ FOR DEBBY(take2)  
  
 3 DETOUR AHEAD(take2)
  
 4 MY ROMANCE(take1)
  
 5 SOME OTHER TIM 
  
 6 MILESTONES
  
 7 WALTZ FOR DEBBY(take1)
  
 8 DETOUR AHEAD(take1)
  
 9 MY ROMANCE(take2)