MilesTAD’s Blog

自分の一生涯の趣味として続けているオーディオのブログです。

フラッター・エコーの対策(1)

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 2009年、MJ誌の音響クリニックで前田欣一郎氏が来訪された際、「低域の吸音」そして「フラッターエコー」が要改善項目として指摘されました。 12畳そこそこのオーディオルームにTAD 40cmダブルウーファーが「過剰」なのは自分でも分かってはいましたが、確かに、フラッターエコーは以前から気になっていたポイントです。
 
 これを契機に、一念発起してオーディオルームの大改造を行ないました。拙宅ではModern Jazzの再生がメインなので必然的にライブ志向、でもクラシックも聴かない訳ではないので「全体的にライブで柔らかな響き」を狙って、壁はそれまでのプラスターボード+壁紙から無垢の桧材に変更し、低域の吸音のために各コーナーに吸音ゾーンを設置し、それなりの効果を得ることができました。 
 
 しかし場所によっては、手を叩くと「ビィーン」というフラッター・エコーが依然として残っているエリアがあり、特に右側スピーカーの上方で目立ちます。 例えば、愛聴アルバム「Opas de Jazz / Milt Jackson」の2曲目で、ベースによるイントロの後、Milt Jacksonヴィブラフォンを強打するところが常に耳についてしようがない。好きなアルバムだと、ついつい音量を上げるのでなおさらです。これを何とかしなければ、とQRDディフューザーやアブフューザー置いてみたり、いろいろ取り組んで来ましたが、どれも今ひとつの結果でした。
 
 試みとして、対抗面に吸音スポンジを貼り付けてテストしてみると、確かに一応の改善は認められますが、「全体的にライブで柔らかな響き」という当初のテーマを考えると、やはり吸音材ではなく反射板でいきたいところです。
 
 フラッターエコーは「平行する平面の間で発生する」という定義から、コンサート・ホールなどの左右壁は、比較的幅の狭いジグザグした壁が設置されていて、なるほど、、、これが本来の設計なのかと思い知らされます。しかし既に、桧材も施工してしまって、いまさらジグザグ壁に変更するとなると最初からやり直し、、、大変な手間がかかります。 やはり部屋の改造前にもう少し勉強しておくべきでした。
 
 何か、解決策はないものか。いろいろな「反射壁」の図を描いているうちに、「水平方向に反射できなくても、垂直方向に反射させれば良いのではないか」という点に気がつきました。サーロジック社の「Gallery Pyramid」は、平べったいピラミッド形状で水平垂直両方向の反射をさせる設計のようですが、拙宅のオーディオルームの天井には、大きな反射板が4枚取り付けてあります。これに向けて上向きに反射させるだけでもフラッターエコー問題は解決できるのではないか、と考えて設計を始めました。
 
 フラッターエコーを解決するための反射板の角度は「3度」以上必要との情報を得て、各ルーバーの傾斜は「3度」で設計しました。壁に使った幅100ミリの桧材の残りを使って新設計の反射板を試作してみました。(上の写真)
 
 これを最もフラッターエコーが気になるポイントの対抗面に取り付けて、さて、パンパンと手を叩いてみました。 結果は、、、「まぁ、無いよりはマシだけど、、、、」という程度、期待の半分のレベルです。