MilesTAD’s Blog

自分の一生涯の趣味として続けているオーディオのブログです。

次期SPシステム(7)ウーファー用エンクロージャー決定

 

 
 
 これまで10年間使って来た「レイオーディオRM-6V」は、500リッターの大きなエンクロージャーにφ125の太いダクトが4本ついたバスレフでした。 オーディオの自作を始めて45年間、いろいろなエンクロージャーを製作しました。覚えているだけでも、フロント・ホーンが2台、バックロード・ホーンが5台、共鳴管SPが2台、あとはバスレフばかりだったと思います。
 
 フロント・ホーンとバスレフのコンビネーションは、JBL 4560 タイプ(下写真)やALTEC A7 の様なエンクロージャー、これはウーファーとドライバーのボイス・コイルの位置を物理的に合わせるのが本来の目的です(この様な小型のホーンで100Hz以下の低域にまでロードをかけることは無理なのですが、音質的には150~250Hz辺りを少し持ち上げる程度の限定的な効果があり、これがドラム・ソロなどを魅力的に聴かせる場合があります)が、我が家ではデジタル・チャンデバを使っているため、タイムアライメントをデジタルで行なえるので、ダイアフラムの位置合わせ目的の低域用フロント・ショートカットホーンは不要です。
 

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 過去に密閉箱をまったく製作しなかったのは、ただ単に「バスレフの方が低音が出る」と盲目的に信じていたから、、、バスレフで弾力のあるベース・ソロが良く再生できたから、、、それと「密閉箱の低域」は何か息苦しい様な感じ、、、だからJazzの再生には向かないのではないか、と考えていたからです。
 
 今回はこれが自分にとって「最後のSPシステム」になるはず(?)なので、今まで一度も製作したことがない「密閉箱」に挑戦することにしました。(どうしても満足できる音にならなかったらその時は、バスレフのダクトを追加することにします)
 
 ウーファー・ユニットを「TAD TL-1601」に決めたら、「密閉箱+TL-1601」のコンビネーションでベストな音を出している「クリズラボ(軽井沢)」を訪問して、最終確認をして来ることにしました。
 
 クリスマスまであと数日、思い起こせば10年前にDEQXを購入しに行った時も、やはりクリスマス直前でした。今回は重い手荷物はないので電車にしたのですがこれは正解でした。京王堀之内駅を午前8時30分の電車に乗っても、午前11時には軽井沢駅に着いてしまいました。
 
 軽井沢のクリズラボお薦めの日本そば屋で生蕎麦をご馳走になって、、、、さて、10年ぶりのクリズラボ試聴室に到着しました。 
 アンプ棚の中のアンプ類はいろいろとかなり変化がありますが、お目当てのSPシステムには大きな変化はない様です。以前はFOSTEXのT-500 II がウッドホーンの上に乗せてありましたが、これは無くなっていました。「やはりトゥイーターはない方がまとまりが良いので外して2Wayにした」とのことでした。
 
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 中高域に関してはDEQXで完璧にチューニングされていますので、今回、特に聴いて確認したいのは「TAD TL-1601a」が搭載されている、36ミリ厚フィンランド・バーチ製「密閉箱(250 リッター)」の低域です。製作にあたって必要な細部の写真も撮らせてもらいました。
 
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 低域のチェック用として、いつも定番の「Eagles: Hell Freezes Over」の6曲目「Hotel California」のイントロ、、、本物はこんな音はしないだろうというくらい極端にブーストされたコンガの低域が左側から再生されるので毎回これを試聴に使っています。 このコンガの低域が左側からウーファーからどれくらいリアルに再生できるか、、、ほぉぉっ、素晴らしい! 舞台の床鳴りが聞こえ、かなり低いところまで再生されました。我が家のレイオーディオRM-6Vもここまでは出なかった、、、密閉箱でここまで再生できるならバスレフである必要はありません。 他にも何曲か低域チェック用のソースを再生してもらって、大満足です。この密閉箱に決めました!
 
 この密閉箱はクリズラボ独自の設計で、図面と細部の写真も見せてもらいました。
φ30の真鍮棒を8本使って(下写真)前バッフルと後バッフルを接続して振動を押さえる構造も「なるほど」と感心しました。 
この真鍮棒にはタップが切ってあり、ウーファー固定用のスクリュー(8本)をこれにねじ込みます。いつも信頼性に欠ける市販の「鬼目ナット」を使わずに済みます。
8本の真鍮棒の合計重量が24kgにもなり、これが低域の押出しの力強さに貢献していることは想像できます。
 
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 これなら構造も簡単、自作も可能だろう、と考えていたら「総重量が150kg」と聞かされて急にモチベーションが下がりました。エンクロージャーだけで150kgというと、この間まで使っていたレイオーディオRM-6V(アピトン合板製)とほぼ同じです。 一人で150kgのエンクロージャーを組立てるには、我が家のオーディオルームの天井にチェーンブロックが必要になりますが、今から取り付けるのは無理です。
 
 このクリズラボ特製の密閉箱は「KZ式エンクロージャー」として特注も受け付けてくれるとのこと、
それなら、ということで私の場合は、内容積(250 リッター)は同じに指定して、高さを100mm高く、奥行きを100mm短く、という寸法で発注することに決めました。特徴的な「8本の真鍮棒」も初めて使うので楽しみです。
 
 これでウーファーのエンクロージャーは「自作」ではなく「特注」することに決まりました。