MilesTAD’s Blog

自分の一生涯の趣味として続けているオーディオのブログです。

次期SPシステム(9)ウーファー決定

 
 
 
 ウーファーに関しては、TADなら「TL-1601a」あるいは「TL-1601b」になります。
20年前に初めて購入したTAD製ウーファーはTL-1601「a」でした。 そして最近まで10年間使って来たレイオーディオRM-6Vにはペアマッチされた「TL-1601b」が組み込まれていたので、もうすでに「a」も「b」の音も体験済み、今度はどちらにしようか、というになります。
 
 最初に発売されたTL-1601「a」は、スタジオなどで大音量再生をするとマグネットが「減磁する(弱くなる)」という問題が発生したらしく、その対策品として主にプロ用途にTL-1601「b」が発売になったとのこと、だから「b」はプロ・ユーザー向けと言われています。
  
 その理由からなのか、「 b の方がa より解像度が高い云々、、、」とTADユーザーの間で言われているですが、真相はどうなのか。 実際に確認してみると、TADユーザーよりもスタジオ関係者の人達の方が「a」のメリットを理解している様で、彼らによると「それほど大きな違いはないけれど、あえて言うなら音が良いのは「a」、耐久性があるのは「b」、一番良いのは「a」の振動板を「b」に組み込むこと」とのことでした。(これは、非常に興味があります)
 
 TL-1601「a」の振動板は「DP-1601a」という部品番号がリストにありますが、これは現在入手はできないとのこと。 ちなみに「b」の補修用ダイアフラムとしては「DP-1603」という記載があります。(この番号は、あのフェライトマグネット版のTL-1603と同じ、とすると音も同じなのか?)
 
 興味深い作戦、TL-1601「b」の中古品を買って、TADに送って「DP-1601a」の振動板を組み込んでもらう、という作戦はどうか、、、そんな「違法改造」をTADがしてくれるはずもなく、この話はナシ。
 
 同じエンクロージャーに入れて、同じ環境でシビアな比較試聴テストをしたことはないし、雑誌などの比較テスト記事も見たことがないので、自分では何とも判断できません。
 
 私の経験では、レイオーディオ製やオルトフォン製の太いケーブルを使っていた時でも、「b」のターミナルは「万力タイプ」なので、問題なく接続できるというメリットがありました。「a」を使っていた頃は、ターミナルを押して小さな孔にケーブルを通すために、太いケーブルを圧着端子にカシメていました。 下の写真は「a」の使い難いターミナルです。(TD-4001ドライバーには相変わらずこのターミナルが使われています)

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 3番目にリリースされたTL-1601「c」は、あまり生産されずに生産中止となってしまいました。
取付寸法的には「a」「b」と互換性がありますから、海外や国内のスタジオ関係プロユーザーのからのリクエストが強ければ、この「c」の生産が続けられたのでしょうけれど、「b」だけが残ったということは「c」には大きなメリットがなかったということでしょうか。
 
 下記の仕様書で比較すると、「a」「b」「c」の中で磁束密度が一番低いのが「c」。ウーファーのマグネットの場合はただ強ければ良いという訳ではありませんが、「総磁束」は一番大きいのに「磁束密度」が一番低いのは何が原因なのか。
 ヴォイスコイル径が同一、振動板の最大ストロークも同一とすればプレートの厚みも同じはずですが、ダクタイル鋳鉄製フレームの悪影響があるのか、、、何となく気になります。
 
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 ダクタイル鋳鉄製のフレームに関して「鋳造工場が焼失したので、TL-1601cの生産が中止になった」といった噂も聞いたことがありますが、ダクタイル鋳鉄の製品なら国内で生産する企業はいくつもありますから、生産中止となった理由は他にあるのかも知れません。 

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 同時期にリリースされたTD-4003ドライバーと同様、プロ・マーケットから要求される性能面、将来的な生産数の展望など、採算に合わない設計だったのかも知れません。
 
 いろいろ回り道して最終的に、新品のTL-1601「b」を買うことに決めて発注しました。
ところが何と「6ヶ月待ち」とのこと、「そんなに売れる人気商品なの?」と驚きました、TADユーザーが何百万人もいる訳はないし、TL-1601「b」が iPhone の様に売れる訳もない、、、半年に一回の受注生産になったとのこと、なるほど納得しました。
 
 半年後に、私がもう2台のTL-1601「b」を追加発注してダブルウーファーにする、などという様なことはないはず(?)ですが、昔からのTADファンの一人として、TL-1601の生産はいつまでも続けて欲しいものです。
 
 私の次期SPシステム・プロジェクトは、このTL-1601「b」の納期6ヶ月が最長となり、完成はおそらく6月末になりそうです。
 
それまでには、きっとウーファー用エンクロージャーも余裕で納品されていると思います。