MilesTAD’s Blog

自分の一生涯の趣味として続けているオーディオのブログです。

DEQX HDP-4 の次のアイテム(2)

 
 
 
 オーディオ専門店とTRINNOVの総輸入元(ステラ)がデモに来てくれました。
運ばれてきたのは「TRINNOV ST2 HiFi」本体と「3Dマイク」と小型マイク・スタンド、そして操作用の「MacBook Air」だけです。
 
 これが TRINNOV社製「3Dマイク」です。(定価15万円)
 
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 この3Dマイクをリスニング・ポイントで耳の高さに設置し、このポイントでの測定データに基づいて「Time Alignment」、「位相」、「群遅延」、そして「F特のフラット化」をTRINNOV ST2が算出して10分程度で完了、、、というものです。
 
 10年前に初めてデジタルのEQチャンデバ製品DEQXを導入した際、我が家のレイオーディオのTL-1601bウーファーとTD-4001ドライバーのダイアフラムの位置合わせ(Time Alignment)をデジタルで自動的に処理してしまう工程を見て驚きました。 
(過去20年以上、一般のマルチ・アンプ・ユーザーの皆さんと同様に「耳で合わせる」方法を続けて来た自分にとって、インパルス応答の測定結果を見せられた時、今までの「耳で合わせる」方法、つまりアナログによる調整では、デジタルのチャンネルデバイターに到底敵わないと感じたことを覚えています。)
 
 今回の「TRINNOV ST2」は同じデジタル製品ですが、DEQXから更に進化していて、リスニング・ポイントにおいての一回だけの測定で、あとは全て自動的に調整を済ませてしまうことです。 DEQXは最後に一回だけリスニング・ポイントでの測定がありますが、これはF特のみの確認と調整であることを考えると、「TRINNOV ST2」のアルゴリズムの先進性に感心しました。
 
「TRINNOV ST2」の内部には、一般的なDSPではなくIntel製のプロセッサーがあり、これがLinuxベースのファーム/ソフトウエアで作動していて、前述の測定データに基づく補正値を算出しているらしいです。 だからPower Onにしても起動まで数十秒待ってからパワーアンプをONにした方が良いかも知れません。 一つのスイッチで全部を同時にPower Onにした場合どうなるか、TRINNOV内部にMuting機能があるのか、巨大なクリックノイズが出てしまうのか、まだ確認していません。(Power Offの場合もどうすべきか、、、我が家の様にDCアンプを使っている場合は、先にパワーアンプをOFFにした方が良いかも知れません。)
 
 今回はデモなので、いつもDEQXが置いてある場所にそのままTRINNOVを置きました。 
下側にある外部VR専用として購入したAccuphase CX-260よりも幅が狭く奥行きが長い、という寸法なので、仮置きのラックを使いました。
 
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 デモの準備が始まって1時間足らずで全行程が終わりました。 
さて音出しを、ということで日頃から「試聴用」として使っているハイレゾの音楽データをいくつか再生してみました。
 
 TRINNOV ST2が自動調整したままの状態での再生でしたが、我が家のTADユニットの2Wayシステムが、最初から満足のいくバランスで鳴り出しました。
 
 TRINNOV ST2の自動調整に全部お任せの状態なので、ジャズに関してはいえば、シンバルがもっと太い方がイイとか、室内楽はヴァイオリンの高域が少しキツイとか、細かい部分を指摘したくなります。
しかし偶然か必然か、全体的なバランスと定位感は1時間でセッティングされた音とは思えないほどの「完成度」でした。
 
 今回のデモ来訪の数日前に、輸入販売元のステラのWebサイトで日本語版「取扱説明書」がダウンロードできるので、購入を想定して事前に読んでおきました。(https://www.stella-inc.com/trinnov/download/manual_st2.pdf) 
10年前のDEQX購入時に「取説が全く役に立たなかった」ことを考えると、このTRINNOVの取説はそこそこのデキですが、英文のマニュアルから「直訳」したままの部分も多く、これもユーザー目線の取説とは言い難いです。DG-58のマニュアルの様に、指示通りに調整すれば音出しまで完成できる「模範的なマニュアル」にはまだ追いついていない様です。
 
 ユーザー目線のマニュアルは自分で作成できる、、、今日の音出しで感じたインプレッションを考えると、DEQX HDP-4からの買い替えプロジェクトは、DG-58ではなく「TRINNOV ST2」を購入することに決めようと思いました。
 ユーザーズ・マニュアルがイマイチの出来、本体の使い勝手はどうか、デジタル・ボリュームの適正範囲をどう設定するか、心配なポイントはいくつもあります。
しかし、「見る前に飛べ」を実行しないと前に進まないので、TRINNOVを買うことにしました。
 
 下記、TRINNOVユーザーの方々のブログを参考にさせて頂き、パワーをもらいました。これらの記事がなければ、なかなか買う決心がつかなかったと思います。 
オーディオへの大きな情熱と飽くなき探究心を持った、先駆者の方々のブログです。