MilesTAD’s Blog

自分の一生涯の趣味として続けているオーディオのブログです。

TRRINOV ST2 HiFi の設定(1)

 
 
 興味本位で、Accuphase社のDG-58の取説をWebサイトからダウンロードして読んでみると、「これならユーザーが一人で設定できる」と感じられる、とても親切な解説が展開されています。
 
 たとえページ数が増大しても、完璧な取説を完成させておけば、製造元も販売店も「ユーザー・サポート」にかけるコストを大幅に削減できるのは分かっているはずですが、、、Accuphase社の様な親切な取説にはなかなか出会えません。
 
 今回のTRINNOVの取説も、DEQXの取説よりはマシですが、具体的に「次は何をすれば良いのか」が書かれていない、と感じる場面が多々ありました。
 
 それにもメゲずに、何とか音が出るところまで来ました。
この設定で本当に大丈夫なのか? と不安な部分は残っていますが、先月の出張デモの時に聴いた音が出る様になりました。
 
 今回、行なったキャリブレーションは下記のとおりです。
 
 リスニング・ポイントに3Dマイクを設置して、ピンク・ノイズによる測定を行ないます。
 キャリブレーション用のピンクノイズのレベルを規定値にセットすれば、あとはスタート・ボタンを押すだけで、TRINNOVが自動で最後まで完了させます。(75dBのピンク・ノイズは結構うるさいです。DEQXの1.4秒サイン・スイープの方が心地良かった気がします)
 
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その測定データに基づいてTRINNOVが3分間ほどで「Optimization」を完了します。
 画面には下の様な「以前の伝送特性 (Before)」と「適正化後の伝送特性 (After)」そして適正化に使われた「フィルター」が表示されました。
 
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 過去10年間使っていたレイオーディオRM-6Vの時も、我が家のオーディオ・ルーム特有の50Hz近辺に定在波による深いディップが存在していました。
レイオーディオと同一のTADユニットを使った現在のシングル・ウーファー・システムでも、全く同じ位置に定在波による-16dB以上のディップがあり、それを今回のTRINNOVは+6dB修正し、その結果「-10dB」なっていることが分かります。 (安全のため、最大ブースト値を+6dBに設定済み)
最大ブースト値を+10dBまでにすれば、もう少し改善できると思いますが、パワーアンプとTL-1601bウーファーとの相談が必要です。
 
 同様に、250Hz付近とTD-4001ドライバー特有の2k~3kHz付近の膨らみも補正され、60Hzから18kHz辺りまでほぼフラットになっています。 DEQXの場合は「手作業」だったので、まずフラット化すること自体が結構時間を要していました。
 
 他にもいろいろ興味深いデータが表示されました。
 
 下記は、基準位置「L」「R」に対して、我が家の現在のSPシステム「’L’」「’R’」がどれくらい適正な位置にあるか、、、これらがピタリと重なればベストという意味ではないか?、、、と理解しましたが、まだ自分の理解度が低いので「ではないか?」のレベルです。
 
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 さらに「Summary」と題して、下記のデータが表示されました。
それまで「大体こんなモンだろう」程度の大雑把な置き方だった我が家のSPシステムの設置位置は、オーディオ仲間からのアドバイスに基づいて、「ミリ単位」の精度で位置を出しています。
 レイオーディオの時はエンクロージャーの角隅に大きくR10が付いていて位置精度を出すのが難しかったのですが、今回のエンクロージャーは角隅R1ですので、それなりに精度は出ているはずです。
 
 しかし下の表によると、左右のSPシステムに差異があるのは、周囲に設置してあるサーロジック・パネルの位置が左右不揃いなのが原因か、、、そして3Dマイクの位置も「正確にミリ単位で部屋のセンターでない」ことがバレたのかも知れません。
 
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 凸凹の激しい「室内のF特」をプロセッサーがフラットにして、このフラットな状態になれば、TRINNOVには下記の5種類の「標準EQ(プリセット)」が用意されています。
音楽のジャンル、あるいは再生の目的に応じて、iPadを一回タップするだけで選ぶことができます。
 
  Confort: リラックスして音楽を楽しむ設定
  Natural: 愛用のスピーカーの音調をあまり変えない設定
  Neutral: 低域から高域までフラットなF特に設定(デフォルト)
  Precision:位相特性を最大限にフォローし、視覚的なサウンドイメージ
  Monitor: 最大限フラットなF特、録音現場のサウンドを再現する設定
 
 上記5種類のプリセットにさらに追加で、下記の様にグラフィック・イコライザーを用いて自分の好みを追加することも可能です。 「0.1dB」刻みで調整ができ、この他に「群遅延」「位相」も修正できるらしいですが、現在の段階で理解できているのは「Amplitude」だけで、他の設定に手を付ける段階まで来ていません。
 
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 一応ここまで来ましたが「この設定で正しいのか」、まだ自信を持っていませんが、かなり完成度の高いサウンドが出せていることは確かです。
 
 DEQXの時もそうでしたが、TROINNOVも「適正化した特性」と、何もしていない「元々の特性」が一瞬で切り替え比較できることは、デジタルEQを使う大きなメリットであることを改めて認識できます。
 
 今後もいろいろトライして、自分なりのマニュアルを作成していけば、もっと高度な設定や分析もできる様になって来ると楽しみにしています。