MilesTAD’s Blog

自分の一生涯の趣味として続けているオーディオのブログです。

SACDからデジタル音声信号を取り出す(3)

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 SACDからデジタル音声信号を取り出せた! と喜んで、しばらく聴き入っていましたが、新たな問題が見つかりました。 

 SACDを再生しながら、DEQX (DAC/デジタル・チャンデバ)を確認したら「44.1kHzの信号しか出ていない」ということが分かりました。 「SACDからデジタル音声信号を取り出した」ところまでは大成功ですが、しかし「44.1kHz」では、、、、Michel Jackson の「Thriller」に関して言えば、SACD特有の柔らかな音質であることは認められるものの、フルレートでなければ意味が無い、、、。

 数ある米国のサイトを探し回ると、同様なHDMI Switcherを使っていて、いろいろ研究を重ねてデジタル信号を取り出している熱心なマニア達がいました。その記事によれば「Switcherの出力側には、他のHDMI機器に接続して認証を取る必要がある」とのこと。 つまりHDMIのデジタル信号は、機器同士をHDMIで接続しての「認証」が確立して初めて、フルレートのデジタル信号が出力される、ということが分かりました。

 「他のHDMI機器」といっても、我が家で遊んでいる機器は最近サブ用に購入した液晶テレビビエラ)だけ。 ものは試しにと、オーディオ・ルームに運び入れ、HDMI Switcherの出力をこれに接続しました。 

 PS3のドライブにSACDを入れて、Play!......。「Thriller」のイントロ、、、左側からドアが開く音、コツッコツッと靴音が右から左へ歩いて行って、、、さあっ、DEQXの表示を見ると、、、、出ましたっ!、「88.2kHz」と表示されました! (実際には、176.4kHzと表示されるところですが、DEQXは96kHzまでしか再生できないので、残念ながらココまでです。確認のため、24bit/96kHzのDVD-Audioを再生すると、「96kHz」との表示が出ました。)

 あらためて再度、 Michel Jackson のSACD盤「Thriller」聴いてみました。 Michel が声を発する直前の鋭い呼吸音、これが明らかに今までのCDからの再生音とは違います。マイクから口元を離しているのか、首を振っているのか、その「空気感」が我家のレイオーディオのウッド・ホーンから再生されます。「Thriller」のCDは全世界で1億枚売れたと言われていますが、このSACD盤の音質はより柔らかく、CD盤の音はより迫力があり、明らかに差異があります。 著名プロデューサー、クィンシー・ジョーンズが意図したのはどちらの音だったのでしょうか。

 次に私の大本命、JAZZの愛聴盤を何枚か聴いてみました。 DVD-Audio盤を聴いているのとほぼ同じ、60年代の古い録音でさえも、スタジオやジャズ・クラブの空気感、奥行感がダイレクトに伝わって来る、圧倒的な情報量がCDとは比較できない程のレベルで再生されました。

 この時点で、私の「SACDからデジタル音声信号を取り出す」というプロジェクトは、完成です!

 過去の偉大な演奏家達が残してくれた貴重な音楽遺産、もう二度と取り戻せない過去の偉大な演奏の録音、その当時の演奏と臨場感を可能な限りマスターテープに近い音で聴きたい、ただそれだけをモチベーションにしてここまでやって来ました。 DVD-Audio盤は今までも随分購入して来ましたが、なかなか入手できないアイテムもまだ随分あります。 今後は、いろいろなSACDを購入し、デジタル信号にコンバートして行けば、よりダイレクトな、本来のサウンドを楽しむことができるはずです。


追記:

 今回の私の試みを知って、同様な手法を試される方もいらっしゃるかも知れません。しかし、留意すべきは「著作権法」です。 著作権法の第一条にある「著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与する」という法目的を決して忘れてはなりません。 著作権法は、一個人が自費で購入したSACDから「デジタル音声信号を取り出す」という行為を具体的に禁じてはいません、しかし「複製頒布する」行為を禁じています。 一部の心ない人による行為が原因で、多くの良識ある人々の楽しみが制限されるような結果を招くことにならない様、細心の注意を払わねばなりません。