MilesTAD’s Blog

自分の一生涯の趣味として続けているオーディオのブログです。

リッピング用ドライブの強化

 

 
 PCオーディオを始めた時から、CDのリッピングについてはPLEXTOR社のPremium2を使用して来ました。このドライブは、市販のCDドライブの中では一番音質が良いということで購入したのですが、鉛のインゴットや厚いステンレス板などを上に乗せてみると、確実に音質が変化します。 

購入した製品は、一回は自分で分解して中を見てみないと気が済まないので、いつもの様にバラしてみました。中を見ると、厚さ2ミリ程度のアルミの引き抜き材で作られた「ボディ」は、他の製品がプラスチック製であることと比べれば多少マシですが、それでもこの程度のレベル、、、、、肝心のCDドライブ自体はさらに薄い鉄製のフレームを介してこのアルミ・ボディに取り付けてある状態で、ダンプ材等で特別なチューニングが施してある訳ではありません。こんな状態では、上に鉛のインゴットなどを乗せて音が変わるのも理解できます。

 オーディオの音質テストにも耐えられる様な、オーディオ的フル・チューンを施すには、このドライブ自体をフレーム等を介さずに重いムクの金属に直接取り付けるのがベストです。 そこで、 Jeff Rowland と同じシャーシを製作しよう購入してあったアルミ板(18ミリ厚)を使って製作してみました。(上の写真、まだ表面処理をしていないので、アルミの光沢地肌のままですが、いずれは Mark Levinson に合わせて黒色へアライン仕上げのデザインにするつもりです)

 設計のコンセプトとしては、底部と横からのスクリューは位置決めの目的で、このドライブの外板(厚さ0.6ミリ程度の薄い鉄製)に、18ミリのアルミ板を密着させて重量で押さえ込むという構造です。 今回は Pioneer 製のDVDドライブを使いました。
ドライブの図面を確認すると、合計12カ所あるM3のタップ位置は公差が厳しくなっていますが、外寸法に関しては「± 0.8 mm」という、大ざっぱな寸法公差で、これでは普通に設計しても「密着」させることは難しいことになります。
結局、自分のドライブ自体の寸法をデジタイザーで測定し、そのデータを図面に反映させることにしました。

 機械加工が完了して、ドライブを組み入れて行く行程では、すべてのスクリューを少しずつ締めながら、ドライブに重い無垢アルミ材を「寄せて行く」という行程が必要です、これを行なわないと、ドライブの外板と無垢のアルミ材が密着しないことになり、厚いアルミ材の重量効果が半減するからです。

 

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 さて、音質比較テストは、同じ音楽データを、PLAXTOR製 Premium2でリッピングした曲(音楽データ)と、今回の補強された重量級ドライブでリッピングした同じ曲(同じ音楽データ)を交互に再生して「AB 比較テスト」を行ないました。

 一聴してすぐに分かるのが、アナログ・プレーヤーの音質比較のように、明らかに音のクォリティが向上することです。中央に小さく固まっていた臨場感(空気感)が、左右、上下に広がって行き、奥行感が向上したのが印象的です。リズムを刻むシンバルの音も、以前にも増して「スティックの木の音」が聴こえてきます。アナログ・プレーヤーを重量級の金属でチューンアップした場合、まず先に低域の解像度が向上するのですが、デジタル機器に関して我家では、低域の改善もさることながら、特に中高域の改善が著しいようです。

 PLEXTOR社のPremium2でリッピングした音よりも、厚いアルミ材で補強した Pioneer 製のDVDドライブの音が圧倒的に良かった、という結論になりました。今回の「重量級アルミ・ケース」の製作費は、4万円少々です。

 「CD/DVDドライブってデジタル製品でしょう?」という私の古い既成概念はもうなくなりました。ドライブのシャーシを強化しただけでこんなに音質が向上するとなると、今までリッピングした音楽データは、もう一回リッピングし直さなければ気が済まなくなってきました。 

 PCオーディオは「どうも音が薄くて、、、」とか「今ひとつ、奥行き感が浅い、、、」という様な印象を持たれている方は、前回のブログに掲載した特注 USBケーブルやFire Wire、そして今回のリッピング用ドライブの強化をすれば、ハイエンドのCDトランスポートを十分に凌駕するような、満足のいく音質が得られると思います。