MilesTAD’s Blog

自分の一生涯の趣味として続けているオーディオのブログです。

システム機器の構成 (2016年9月)

 
 
 2日後、Jeff Rowland Model 201 が宅急便で届きました。 
店内では結構大きいと感じた外箱も、自宅の玄関先に届いてみると、小さなダンボール箱が二つ。  アマゾンから「外付3.5インチ HDD」でも届いたのか思えるほど小さいです。  以前、Mark Levinson が2台届いた時や、A-65を買って運んで来た時の様に、「さて、どうやって部屋の中に運び入れようか」と困惑する様なことはありません。

 小さいからどこにでも置ける、と気軽に考えていましたが、ケーブルの取り回しを考えるとそれ程簡単には行きません。  
 とりあえず暫定的な設置ということで、A-65の上に載せて聴いてみることにしました。
(A-65のヒートシンクには「鋳物の抜き勾配」が付いているので、その上に載せてあるModel 201がハの字に傾いて見えます)
A-65の電源を入れさえしなければ熱くなる心配はないので、とりあえずこの設置でいくことにします。
Marantz MA-7Aのシャーシに入れた2台の UHC Mos-FET 金田式DCアンプはそのまま、左奥にある中村SS製 NSIT-2000 Plus ステップダウントランスもそのままのレイアウトです。
 
 
 
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 そうこうしている間に、Accuphase A-65 が予定よりも早く引き取られていくことになってしまい、結局、上の写真が唯一、最後のツーショットとなってしまいました。
 
 今回の試聴は、もう既にA-65 が手元にないので過去1年間、調整を繰り返して聴いてきた自分の記憶との比較になりますが、一年間聴いてきた愛機の「最も良い音と悪い音」は結構リアルに覚えているはずです。
 
 ウーファーの高域を避けて、ボーカルをできるだけウッドホーンのみから出そうという目的で、我が家のレイオーディオは、ウッドホーンのカットオフのギリギリまで低いクロスオーバー(350Hz/60dB)にセットしてあります。
クロスオーバーを低くするほど、ボーカルはクリアになってツヤを増して来ますが、それでも結構厳しいのが「Elvis Presly No. 1 Hits (96 kHz/24bit)」のアルバムで、中低域のテストにこれを使いました。
 

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 アルバムの12曲目「Can't help failing in love」を聴いてみると、Jeff Rowland の方がウーファーの高域(クロスオーバー付近の音)がタイトです。 だからエルビスのドスの効いた太い声も幾分クリアに聞こえます。
 
 次に、Brian Bromberg 「Wood (96 kHz/24bit)」の6曲目「Freedom Jazz Dance」です。 
 
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Brian のアルバムは、本人がベーシストなのでベースソロを前面に出したがり、典型的なのがこの6曲目です。 実物のベースはこんなに大袈裟な音はしないことはジャズファンでなくても知っていますが、オーディオマニアの試聴にはうってつけの音源です。 ピチカートの部分は Jeff Rowland 201 の方が躍動感があります。 A-65 はもう少し重い音だったと思います。
 
 ベースのピチカートという観点なら、Eddie Gomezのベースはどうかな、、、「At the Montreal Jazz Festival (192 kHz/24bit)」の7曲目の「Embraceable You」ではEddieの長いソロが聴けます。名手 Scott Laforo 亡き後、Bill Evans Trio を支えたベーシストのピチカートは聴きどころがあります。
 
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 それでは Scott Laforo のベースを聴くために「Waltz for Debby」の姉妹盤「Sunday at the Village Vanguard (192 kHz/24bit)」を聴いてみます。 
 
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3曲目の「Solar」では、明らかにEddie Gomezのベースとの違いが分かります。(この若き天才ベーシストは、Village Vanguardにおける同日収録の二枚のアルバムの11日後、交通事故で他界し、この二枚が最後の公式録音となってしまいました)
 
 
 総合的な印象としては、Accuphase A-65 の方が少々音に厚みと重量感があり、Jeff Rowland 201 の方は音に躍動感があると感じました。 石造りの大聖堂で鳴り響くパイプオルガンの沈み込む様な重低音を再生させたら、、、、きっとA-65 の方に分があるかも知れません。 Model 201 の音は、もう少し上の方の帯域、ベースのピチカートやバスタムのアタックに関し、立ち上がりの良さ、優位性がある様です。
 
 Accuphase A-65 は今まで1年間、DEQXのグラフィックイコライザーを駆使して調整した「自分の音」ですが、Jeff Rowland Model 201 の方は接続してレベル合わせをしただけ、、、まだ細かい調整はこれからです。 この夏、Myu氏から譲り受けた「サーロジック定在波吸収パネル」の存在も、今回の試聴結果に影響していると思います。 
 
 結論として、Jeff Rowland Model 201 はシャーシの小ささとは裏腹に、Accuphase A-65 に勝るとも劣らない、我が家のレイオーディオ相手にも十二分に力を発揮してくれるアンプであることが分かりました。
 
 どちらも借り物ではなく、自分で選んで購入したアンプ、、、今後は「Jeff Rowland Model 201」の良さを引き出せるように、毎日楽しみながらチューンアップしていくつもり、、、これからが楽しみです。