MilesTAD’s Blog

自分の一生涯の趣味として続けているオーディオのブログです。

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 常に前を見続け、絶えずイノベーションを進めてきた偉大なCEOが、ついにこの世を去りました。 今年8月に「ついにその日が来た」と言ってアップルのCEOを退いてから2ヶ月余りのことです。

 「Apple IIe」から使い始めて、秀逸な工業デザインとシンプルで使い易いOSが気に入って四半世紀以上もアップル・ファンである私は非常に残念です。これからのアップルはどうなって行くのか、、、。

下記は、ニューヨーク・ロイターの記事からの抜粋です。

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スティーブ・ジョブズ氏が56歳で死去した。

 スティーブ・ジョブズ氏は、ヘンリー・フォード氏などとともに、米国の偉大な経営者として知られている。同氏は、アップルを1度だけでなく2度も世界的な企業にした。アップル・コンピュータを設立し、同社を成功に導いた「アップルII」や「マッキントッシュ」を世に送り出した。

 その後、社内の権力闘争に敗れ、アップルを追放されたが、1986年には、CGアニメーション技術のピクサー・アニメーション・スタジオ社を興し、CEOの座に就いた。(このピクサーは2006年、ウォルト・ディズニーに売却され、彼はウォルト・ディズニーの個人筆頭株主となった。)

 12年後の1997年、業績が最も低迷していた時期のアップルに復帰、カラフルなiMacを発表し、これを大ヒットさせて同社を立て直した。

「iPod(アイポッド)」や「iPhone(アイフォーン)」、「iPad(アイパッド)」を生み出したその力は、その後に経営危機から救っただけでなく、株式時価総額3500億ドル規模と地球上で最も価値のある企業を生み出した。そして人々の生活にも変化をもたらした。そのような「遺産」─そして彼なしでも成功を遂げられる企業─を残した類まれな企業家だ。

 ジョブズ氏は大学を中退し、友人のスティーブ・ウォズニアック氏と立ち上げたアップルで、利益率の高いマシンより、先進的な「マッキントッシュ」にこだわることで社内の権力闘争に敗れ、設立から10年経たないうちに自分の創業した会社から追い出された。しかし、こうした状況の変化が、後のジョブズ氏の成功の中核をなすことになる。

 ジョブズ氏は2005年にスタンフォード大学で行った講演で、大学中退後に学んだカリグラフィーが、アップルが世界を変えた初めてのマシン「マッキントッシュ」のデザインに影響を及ぼしたと述べている。

 彼はいつでも前進する準備ができていた。アップルから追放されたことは「自分の人生における最も素晴らしい出来事」だとしていた。多大な成功を収めているピクサーも、ジョブズ氏がアップルを離れていた時に設立した会社だ。またピクサー設立以前には、先駆的なコンピューターメーカー「NeXT」も立ち上げている。NeXT社は1996年にアップルに買収され、ジョブズ氏はアップルに復帰した。

 アップルに復帰したジョブズ氏は、ヒット作の連発につながるビジョン、原動力、完璧主義とともに、秘密主義をも持ち込んだ。ある意味では、これは同社に有益に働いたとも言える。アイフォーンが発表され、スマートフォンが持つ大きな可能性を世界に知らしめたその瞬間、テクノロジー業界はショック状態に陥った。「未来の虫食い穴から落ちてきたみたいだ」と表現した当時の業界筋もいた。一方でアップルの秘密主義は、過去数年間にわたりジョブズ氏の健康状態に口を閉ざして、投資家が得るべき情報を与えていなかった。しかしそれでも、アップル最大の成功となったアイフォーンは、ジョブズ氏ががんを患った後に開発された。

 そして今年に入り、同社の時価総額エクソンモービルを抜いて米企業首位になった。見方によっては、同氏が生み出した商品の価値はもっと高いかもしれない。新たな商品カテゴリーを作ったアイパッドの成功は、同社の成長潜在力が依然として高いことを示している。そして同社にはジョブズ氏がいなくとも多くの優れた人材が集結している。

 ジョブズ氏は2005年、スタンフォード大学での学位授与式で「他人の考えの結果に従って生きるというドグマにはまってはいけない。自分の内なる声を他人の意見でかき消されないようにしよう」と述べた。最も重要なのはこの哲学に基づいて生まれたアップルの数々の製品だ。ジョブズ氏は、ほかの偉大なる発明者と同じように、何百万人の消費者が欲しくてたまらなくなるような商品を、彼らが欲しいと気が付く前に創り出したのだ。

 ジョブズ氏は、類まれな才能で業界を革新し、デジタルテクノロジー、オンライン・メディア、モバイルコミュニケーションの分野で革命をもたらしたのだ。