MilesTAD’s Blog

自分の一生涯の趣味として続けているオーディオのブログです。

オーディオ・ルームの大改造(その12)

 

 

 

 

 昨年(2011年)は本当にいろいろなことがあって、ブログの更新もついつい滞りがち、気力と体力が必要なオーディオルームの改造は全くといって良いほど進められませんでした。

 とっくに設計も完了して一気に製作してしまうつもりだった天井の反射パネル(傾斜天井)は、さあこれから、というときに3月11日の大地震があり、幸いにも我家は被害はなかったのですが、急に弱気になって重量物を天井に吊るすのが怖くなり、設計変更をすることにしました。

 5月連休の2週間で仕上げる予定が、MJ誌の取材が来ることになって「工事現場状態ではヤバイ」ということで延期、これまで20年以上病気など縁のない健康だけが自慢だったのに7月と10月に一週間ずつ入院、と延期の理由が重なって新年が明けてしまいました。

 次の大地震がいつ来るのか知らないけれど、何にしても重量物を頭上に吊り下げない方が得策、という設計方針に切り替えて、新しい反射パネル(傾斜天井)を設計しました。この反射パネルの目的は、MJ誌のクリニックでも指摘された「フラッターエコー」の改善です。特にヴィブラホンなどの打楽器の高音部が妙に「耳に付く」傾向を何とかしたい、これが大目的です。

 外観デザインは、一昨年に行なったオーディオルーム全体の壁と天井の「檜材」と同じものを使いました。 最初は、床の上でガッチリと組み立てて、これを数人で持ち上げて取り付ける工程を工務店に依頼しようと考えたのですが、こんな半端仕事を好んで手伝いに来るお人好しは皆無で、結局、頼れるのは自分だけという結論に至り、自分一人でも天井への取り付けができる様な設計としました。 まずは、檜材のフレームを床上で製作してから天井に取り付け、その後で檜材を1枚1枚貼り付けていく、という設計です。

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 一昨年の天井工事で、天井は防振吊具で家屋の構造体からフローティングさせているのですが、このフローティング天井にさらに防振吊具を使って反射パネルを取り付けました。よって「2段構えのフローティング」になっているので、反射パネルの共振が天井や家屋の構造体までは伝播しない、という自己満足の一品です。

 フラッターエコーは床面と平行する天井面の間で発生するので、反射パネルの傾斜角度は一応「4度」に設定しました。 なぜ4度なの?、というと、3度でも5度でも構わないのですが、3度以下にするとほとんど水平と差異がなく外観的に「傾斜天井パネル」という特徴が見えて来ないのが不満、けれど5度、6度にするとかなり急角度で下方に垂れ下がって、天井が低く感じられるのが不満、という自分勝手な理由から行き着いたのが「4度」です。

 1年以上の延期にもめげず、ついに取り付け工程を始めました。

 天井に「ヒートン」をネジ込んで、これにビニールひもをかけて反射パネル枠を1台ずつ引っ張り上げ、仮固定しておいて、木ネジを電動ドライバーで締め込んで防振吊具を固定していく作業です。

イメージ 2


 突然ビニールひもが切れて、パネル枠が落下して、下にあるレイオーディオのウッドホーンの上に落ちたらどうしようか、不意に電動ドライバーを落としてしまって、それが1601b ウーファーのコーン紙を突き破ったらどうしようか、などの心配は多々ありましたが、「まあ、そんな事は起きないだろう」の一言で片付けてそのまま作業を進めることにしました。物事をすべて楽観視する性格は、未だに直っていません。

 天井の中央部にある長い角材の部分は「基準ジグ」です。

イメージ 3

1200mm x 800 mm の大きさのパネル枠を、天井の中央部に「端面を揃えて正確に取り付ける」のが想像以上に難しく、1台目のパネルを取り付けた後、床に下りて見上げてみると、天井の水平垂直の線のいずれとも平行でも垂直でもないズレた位置に付いてしまいました。

このまま進めると、4台の大きな反射パネルが不揃いな位置に取り付けられて、オーディオ仲間の「笑いのネタ」にされそうな結果が見えて来ました。 そこで、まずは基準とするための中心線を天井に作図し、これに高さを持たせた基準ジグを製作して進めることにしました。