MilesTAD’s Blog

自分の一生涯の趣味として続けているオーディオのブログです。

次期プロジェクト「KM1Vの自作」その4

  
 
 
 レイオーディオ「KM-1V」を自作するのに必要なユニット、これはネットで調べて幾つかのキーポイントが分かっています。
 
 KM-1Vの特徴的なサウンドを決めているユニット、34ミリ径のソフト・ドーム・トゥイーターはフランス製、そしてウーファーはフィリップス社関連メーカーのOEM製品であろうと思われますが、このユニットの型番や詳細なTSパラメータは入手できていません。 よって設計段階で周波数特性等のシミュレーションはできませんので、バスレフの設計はあくまでも計算上の設計で進め、試作品でのF特とインピーダンス値の測定結果を元にチューニングしていこうと思います。
 
 ネットの画像検索で見つけた「KM-1V」のオリジナルのユニット(写真左下)を見ると、自分の持っているユニットと比較して、ダイアフラムは同一、しかしKM-1Vには表面にコーディングが施され、独自のチューニングが施されています。(これは初期モデルにはなかった処理です)
 
 マグネットのサイズが異なります。下の写真で、左側がKM-1Vに使われているユニット、右側が私のユニットです。KM-1V用のユニットはフェライト・マグネットの直径が10ミリほど大きく厚みも5ミリほど厚い、そしてダイアフラム背面には緑色の補強が追加されていることが分かります。
 
イメージ 1
 
 一般論として、ウーファーの磁束密度を必要以上に強くすると、低域が200Hz辺りからダラダラ下がり(低域が出ない方向)の周波数特性になり、Fostex社製の限定版スーパー・ユニットの様に、ホーン・ロードをかけないと低域が出ないユニットになってしまいます。 
レイオーディオの経験値と技術的ノウハウによって決定された現在のKM-1Vのマグネット・サイズが、おそらくベストなサイズであろうと推察できます。
 
 現段階で大きなマグネットに交換することは不可能なので、プレート後部にキャンセリング(ブースター)マグネットを取り付けて、少しでも磁束密度を向上させてオリジナルに近づけることにします。 外磁型フェライト・マグネット磁気回路の欠点は「大きな漏洩磁束」ですが、追加のマグネットによって磁気漏洩を減少させ、理論的には約10%程度の磁束密度アップが期待できる、と言われています。
 
下の写真がキャンセリング(ブースター)マグネットを追加した状態です。
キャンセリング(ブースター)マグネットの取り付け工程では、エポキシが固まるまでに、2個のマグネットの反発力で中心がズレてしまいます。2,3ミリのズレは特性的に問題はないのですが、今回は完璧を期して、中心位置を固定できるジグも製作しました。
 
イメージ 2
 
 キャンセリング(ブースター)マグネットを追加した「改良版ユニット」の磁束密度を測定するには、ダイアフラムを外す必要があるので今回は測定できません。 大き目の密閉箱を仮製作し、これに装着してインピーダンス特性を確認して、バスレフ・ダクトの共振周波数を決めるという手法で進めることにします。
 
 
 
 

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