MilesTAD’s Blog

自分の一生涯の趣味として続けているオーディオのブログです。

オーディオ・ルームの大改造(その14)

 

 

 

 

 
 「檜材」を貼り付けることで反射パネル全体が「箱型形状」となり、この上に吸音スポンジを載せられるように設計してあります。下から見上げても何も見えないので、吸音スポンジが載っていることは分かりませんが、天井にもっとも近い位置ですから、特に低域の音圧の吸収に効果があるはず、というのが狙い目です。傾斜させた反射パネルによって中高音はあまり吸収させず、低域だけ残響時間を短くしよう、と目論んでいるのです。 吸音スポンジは、ブリジストン化成の「VHZ」、30kgクラスのグラスウールと同等の吸音スペックを持っていて、グラスウールやニードルフェルトのように粉塵が飛び散ることがないのでオーディオルームの室内工事には好適です。

 先月、友人のMyu氏に教えてもらった「ARTA」という部屋の残響時間を測定するソフトを導入しました。 残響時間の測定は、ある規定レベルの音圧が、下限レベルまで減衰するまでの時間を測定するので、可聴帯域全体を測定するには、各周波数毎の測定値を手でプロットしていく、という気の長い測定。それを「ARTA」はインパルス応答を使った測定が数秒で終わり、PCの画面上に表示してくれます。


 Myu氏は、こういった測定機器やソフトに極めて造詣が深く、私が「測定しながらチューニングするオーディオ」を実践できているのも彼のおかげです。やはり持つべきは良き友人、良きオーディオ仲間です。 

 オーディオマニアは通常、マルチアンプの調整でさえも「最後は耳で合わせる」という「金言」を口にします、以前は私も同様でした。しかし、「耳で合わせる」というファジーな部分でさえも、現在では安価なソフトと測定器を使って「数値化」して目で確認できることをMyu氏から教えてもらいました。 昔ながらの「耳で合わせる」ファジーなオーディオも楽しいですが、チューニングの結果をリアルタイムに数値と視覚で確認しながら、より高い次元へとチューニングして行ける「測定しながらオーディオ」はもっと楽しいです。

 さて、まだ使い慣れていない「ARTA」で測定した「反射パネルの無い状態」の残響時間特性データが採れました。 

イメージ 1

イメージ 2

 これを見ると、低域の残響時間が少々長い、と言われても仕方がない特性です。各ポイントごとにマイクの位置を移動し、そのポイントにおける残響時間を測定しました。通常の残響時間測定は、「無指向性マイク」を使うらしいのですが、私の場合はSPシステムのF特を測定するマイクなので指向性があります。 

 このマイクで狙った左下の「3」のコーナーの低域が一番残響が長い(0.65秒!!)、すぐに対策を施したくなる測定結果です。

イメージ 3

 我家のオーディオルームの背面は、反射と吸音についてある程度の効果を期待して床から天井まで本棚にしてあるのですが、左下の「3」は防音ドアがあるコーナーで、本棚と壁に囲まれた「いかにも共鳴しそうな」エリアなのですが、もののみごとに測定結果に出たようです。

4本の1601bウーファーの振幅が止まり、レイオーディオの太いダクトからの放射が止まっても、防音ドアエリアだけが他よりも低音が長引く、、、これでは今以上には低域の改善は難しい、いくらデジタル・イコライザーでF特をフラットにしても大きな改善は期待できない、という結論になります。

 また一つ、新しい楽しみ(?)が増えました。 完成の近い傾斜天井パネルに加えて、防音ドアの上方に位置する、高さ370、奥行445、幅755ミリの空間、ここに吸音材を充填した「吸音ゾーン」を新設して、ARTAの残響測定で明らかになった「弱点」を改善する予定です。