MilesTAD’s Blog

自分の一生涯の趣味として続けているオーディオのブログです。

金田式DCアンプのマランツへの移植3


 
 大体のレイアウトはCADを使って確認していたのですが、特注のチョーク・トランスが納品されて、全ての部品を並べて配線周りのことを考えながら実物で再確認すると、この小さなシャーシに金田式UHC Mos-FETアンプ全体を組込むのは、かなり困難な作業であることが分かって来ました。 友人Myu氏に設計してもらった基板がかなり大きな面積を占めています。入らないわけではないけれど、寸法的に縦に直立はできない、横に寝かせると、DCドリフトなどの調整が困難になる等、この小さなシャーシに詰め込むのは不可能に見えて来ました。
 
 結局、当初考えていたレイアウトからは大幅に変更となり、写真の様に電源部を可能な限りコンパクトにまとめてフロントパネル側にレイアウトすることにしました。
金田式のRコアトランスは倒立させてマウントし、2台のチョーク・トランスはフロント・パネルに取付け、2個のケミコンは両側の出っ張り部分に押し込む、このレイアウトしかない、という結論になりました。

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 次に、心臓部である「UHC-MosFET」をどの様にヒートシンクに取り付けるべきか。 このマランツ MA-7A のシャーシは、シャーシ全体が両側のヒートシンクをストレスメンバーとした構造なので、片側のヒートシンクにペアの MosFET を取り付ければ完成です。しかし、フロントパネル側から見て両側にあるヒートシンクの、その片側だけが「熱くなる」パワーアンプなんて、あまりカッコの良いものではなく、あとでオーディオ仲間のジョークのネタにされそうです。
 
 それでは両側のヒートシンクに1個ずつのMosFETを取り付ければ良いのではないか、というと、これがまた問題。 温度補償を担うサーミスタは片方のMosFETのみに結合されているので、もしサーミスタが無い方の MosFET だけが発熱過大となった場合、温度補償は全く効かないことになります。
 
 いろいろ考えたあげく、コの字形の厚さ3ミリの銅製ヒートシンクを特注し、これを両側のヒートシンクに連結し、両方の MosFET をこの中央部にマウントすることにしました。
これなら、温度条件は同一になってサーミスタによる温度補償の問題は解決できるはず、という設計です。

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