MilesTAD’s Blog

自分の一生涯の趣味として続けているオーディオのブログです。

DST-01 導入

  
   
 LINN 社の Klimax DS と同じ様に、「アルミ・ブロックを削り出したシャーシ」と聞いて、それはイイじゃないか、と実物を見に行きましたが、ガッカリでした。 残念ながら「63万円の定価で、このデザインはないでしょう、、、」、ハードの開発に時間を取られて、インダストリアル・デザインは「その場の即席」で済ませた、というのが第一印象でした。

 例えば、BMWMercedes-Benz のエンブレムは、昔からあの適切なサイズだから高級車に相応しいのであって、あれがボンネット上全体に大きく描いてあったり、テニスラケットのような大きさのベンツマークがラジエターグリルの上に立っていたら、世間の笑いものです。  だから私は大きく無粋な「sfz」のロゴが全く気に入りませんでした。他の文字も太すぎて繊細さがありません。 以前見たことのある、アンプジラのメインアンプと同じ印象です、ズ太い音だけは得意そうな外観ですが、、、。

 

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これがオリジナルのデザイン、「sfz」が大き過ぎる


 すぐに購入した何人かのオーディオ仲間からは「分解能の高い静かな音」との前向きなコメントがありましたが、彼らの様に「音が良さそうな製品は、とりあえず購入しておこう」というような潤沢な予算は私にはありません。 とりあえず静観することにしました。

 ある日、WebサイトでSforzatoからDSP-03という新機種が発表された、という記事が目に入り、今度の製品は比較的まともなデザインに見えました。 写真をクリックして拡大してみると、フロントパネルの形状は同一でしたが、あの大きな「sfz」のロゴがなくなっていました。あれがなくなるだけで、結構デザインが改善されているのが分かります。 

 

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200万円超えの上級機種、すでに「sfz」エンブレムはなくなっている


 上の写真の様に、DST-01の写真をダウンロードし、Photo Shopを使って、「sfz」を消去してみました。 なるほど、全体の雰囲気が洗練されて来ます。 大きく無粋な「sfz」のエンブレムを消すだけで上品で繊細な外観となり、これで音が良いなら定価63万円もアリかな、という気がして来ました。
 

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大き過ぎる「sfz」ロゴを消すと、落ち着いたデザインになる、これを採用したい


 それなら、全体的なデザインと不釣合いなインパルス波形の様な線も消してみたらどうだろうか、、、こっちの文字はもっと小さくして、パネルを黒色にしてみよう、、、などと写真をいじっていたら、気に入ったデザインになって、だんだんDST-01を買いたくなって来ました。 こうなると、それまで検討していた LINN Klimax DS は「欲しいものリスト」から外れました。 平行輸入品でも遥かに高価であること、未だにデジタル出力が付いていないことが引っかかって、話が進んでいませんでした。
 
 さて急に「欲しいものリスト」に上がった DST-01、 この導入プロジェクトをどうやって進めようか、、、。大きく無粋な「sfz」のエンブレムと太すぎる文字を消すなら、方法はいくつかあります。

(1)ペイント剥離剤を使えば、30分程度で簡単に剥がれる(費用:千円)
(2)アルマイト剥離工程に出せば、ペイントは全部剥がれて帰って来る(費用:2千円)
(3)直接フルバックをかけて表面を0.3ミリ程度切削する(費用:5千円)

 上記(1)は自分でできますが、(2)及び(3)は業者に委託するため、内部の基板関係やコネクター類は全部取り出しておく必要があります。

 昔から「黒色しか知らないのか」と友人たちに言われるくらい、私はブラック・パネルが好きなので(2)か(3)で表面のアルマイトを剥離したあと、ヘアライン仕上げを施してから黒色アルマイトをかけ、小さな文字を彫刻で施せば、全盛期のWADIA 2000 DACや、往年のMark Levinson のフロントパネルの様なデザインが実現できます。

 

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しかし、エレキ関係に弱い私としては、基板類を外すのは心配で気持ちが沈んで来ます。
 
 それなら、まずは製造元の Sforzato に電話して「このスクリーン印刷の工程を全部省いてもらいたい」と交渉しようかと考えましたが、「そんな事はできません、sfzは我社のエンブレムです! それを全部やめてくれ、という様な注文には応じられません!」などと最初から電話口で門前払いを食いそうです。

 しかし、世の中には同じことを考える人がいるものです。 この方は、スクリーン印刷のパネル上の文字を全部入れない、という特別仕様の DST-01 を発注していたのです。さらに念を入れて、電源部のパイロットランプ(LED)が明るすぎる、これを少し暗くして欲しい、というリクエストまで出したスペシャル DST-01 を特注していたのです。
(その昔、マランツ社のソウル・マランツ氏とJBL 社のアーノルド・ウルフ氏は、パイロット・ランプの照度まで細かく指示していた、という話を思い出しました。デザインにうるさい人はそこまでコダワリがあるのか、と感心したことを覚えています)

 この方は、DST-01 を2セット所有されていた様ですが、今回新発売された DSP-03 を購入することになったということで、所有されていた2台のうちの1台が私のところに来ることになりました。 使用期間が半年足らずの、素晴らしいコンディションの品物でした。
 
 まずは音を出してみて、しばらく間音楽を楽しんでから、ブラック・パネル化を進めようと考えています。