Jazzを本格的に聴き始めた高校生の頃、吉祥寺の実家から歩いて数分、頻繁にコーヒーを飲みに行っていた FUNKY というジャズ喫茶に行くと、よくレコードがかかっていたのが「Opus de Jazz/Milt Jackson」。 それ以来、ヴィブラフォンの音が好きになって、アナログLPも4トラ・テープもこの「Opus de Jazz/Milt Jackson」を購入し、いつも好んで聴いていました。
このアルバムは1955年の録音なので、広い音域やダイナミック・レンジなどは望むべくもありませんが、Milt Jackson が強打するヴァイブの高音が耳につかないか、Frank Wess のフルートがリアルに聴こえるか等、オーディオの試聴用にも楽しく使って来ました。
ヴィブラフォンという楽器は「3オクターブ」の音域しか出ないので、それ程広帯域なスピーカーでなくとも良いのですが、ピアノと同様に、瞬間的な打撃音のあとに長い連続音がフェードアウトしていく楽器なので、どうしても立ち上がりの良いホーンスピーカーが欲しくなります。だから我家のSPシステムは、以前から JBLのHFドライバー を使った2way、そして現在も中高音ホーンの2wayです。
そんな経緯でSPシステムの選択にも影響して来た愛聴アルバム「Opus de Jazz/Milt Jackson」も、CDになってからも2回買い替えて、いろいろな試聴に使って来ました。
PCオーディオ/ネット・オーディオに移行してから、Jazzの名盤や愛聴盤は、DVD-Audio盤やSACDをデジタル・リッピングしたり、HDTracksなどのハイレゾ・サイトからダウンロードしたりして、ハイレゾの音楽データもかなりのアイテムが揃って来ました。
しかし、ハイレゾの「Opus de Jazz」だけは手に入りませんでした。米国アマゾンやeBayなど、どこを探しても品物がないのです。
いくら Milt Jackson の代表作であっても、マイナーなアイテムをSACDにして発売するような物好きなレコード会社はないだろう、DVD-Audio盤でも入手できなかったし、、、「Opus de Jazz」はCDどまりか、、、と完全に諦めていました。
しかし、ついに、とうとう見つけました! 「e-onkyo music」です。 「国内ミュージシャンがメインのサイト」と考えていたので、今までほとんど訪れたことがなかったサイトですが、誤解でした。 一日中大雪で外に出られなかったので、たまには覗いてみようとクリックしたら、、、「お待ちしておりました!」とばかりに「Opus de Jazz」のジャケットが「New Releases」として掲載されていました。 一瞬、我が目を疑いましたが、CDでもMP3でもない、紛れもなく「96kHz/24 bit」FLACの音楽データです。 売り切れになったら困る、、、と価格など一切確認もせず、ただ急いでクリックしました。(音楽データが売り切れになる訳はないですけどね)
ダウンロードが終わって NAS に転送し、「さあ、いよいよ、、、」と iPad の上をタップすると、、、おぉっ、出ました! Frank Wess の甲高いフルートの音から始まる第1曲目「OPUS DE FUNK」が我家のレイオーディオのウッドホーンから飛び出して来ました、、、これはスゴイです、、素晴らしいです! いままでの民生用メディアの制約(LPレコードの音溝の制約、CDの容量の制約)など全くない、マスター・テープに限りなく近い音を、ついに聴く事ができるようになったのです。
58年前の NY の録音スタジオの空気感と臨場感、、、当時はまだ新米の録音エンジニアだったRVゲルダーがレコーディングしたこの古いマスター・テープには、これだけの音が入っていたんですね。 素晴らしいです!