さて、次期SPシステムをどうしようか、、、やはり中高音にホーンを使った2 wayのシステムにしたいところです。「中高音ホーンの2 wayシステム」といっても選択肢は無数にあります。
昔、欲しくても買えなかった60年代以前のJBL「ヴィンテッジ製品」を状態の良い物を探して買うか、それとも自分で最初から設計し、アピトンやバーチ材などの材料を選別して製作をする「自作システム」でいくか、いずれにしても楽しみな選択です。
(1)ヴィンテッジ製品(JBL D30085 ハーツフィールド)
(2)ヴィンテッジ製品(JBL D40030 ハークネス)
(3)準ヴィンテッジ製品(S9500 Project K2)
(4)自作ウッドホーン
(5)自作エンクロージャー
自分にとっての究極のヴィンテッジ製品は「JBL ハーツフィールド」、高校からの下校途中に寄り道して週に何回も「見物」に行っていた御茶ノ水のオーディオユニオン本店の最上階で「Kind of Blue」を聴かせてもらって以来、自分にとってこれは「神格化」された存在、理屈抜きの憧れなのです。
相模原市内にあるジュピター・オーディオというヴィンテッジ製品専門店に音を聴かせてもらいに行きました。(2回も行ったのでお店の人も、きっとコイツは買うだろうな、と期待しているかも知れません)。
ウーファーユニットが「K145」という現代版で、当時のオリジナル「150-4C」ではなかったのですが、低域のホーン形状は初期の複雑な方のタイプ(バート・ロカンシーがLE15用にホーンをシンプル化する以前のタイプ)、HFドライバーは375を使った2Wayで、075は付いていないタイプでした。
店頭での試聴にもかかわらず、金色の音響レンズから放射されるシンバルやトランペットの輝かしい中高域、バスタムやベースのピチカートの「乾いた低域」は自分の抱いていたイメージ通り、思わず手付金を払いたくなるほどの魅力的な音、価格は180万円だったと思います。
自宅に帰って、自分のレイオーディオRM-6Vを鳴らして比較してみましたが、どちらも手元に置きたい、甲乙つけ難い、しかし両者はまったく傾向の違うサウンドでした。
ハーツフィールドの金色の音響レンズから発せられるシンバルレガートやサックスの音は「本物以上のリアル感」がほとばしるサウンド、それに対してレイオーディオRM-6Vは音楽データに忠実で正確で精緻な表現という印象でした。
筆のタッチが生々しく残る「絵画」の様に多少デフォルメされていても音楽の情感と楽しさを表現してくれるSPシステムが好きか、それとも高解像度のレンズで撮った「写真」の様にCDに入っている音楽信号を正確精緻に再生するSPシステムが好きか、、、聴いている自分の音楽的教養とセンスを問われている気がしました。
以前だったらこの部屋にレイオーディオRM-6Vがあったから置けなかったけれど、今なら十分にスペースがある、、、いつでも買いに行ける危険な(?)状態です。