MilesTAD’s Blog

自分の一生涯の趣味として続けているオーディオのブログです。

低音吸収ボックス



 真夏の暑い盛り、額に汗して製作したにも関わらず、期待した効果がほとんど出ていなかった測定結果に落胆し、「すぐに産業廃棄物にする」と決めていた例の「低音吸音ボックス」の件、しかし以前から、大きなRM-6Vのエンクロージャーの間に立って「お~っ」と声を出すとかなり「胴間声」になっているのが気になっていたのですが、この吸音ボックスを片方だけでも置いてあると、それが少し改善されているのに気がつきました。

 このまま「産業廃棄物」に出してしまおうか、それとももう一台製作して「胴間声の改善」を確認するリスクを取るか、しばらく考えるために放ったらかしにしておいたのですが、結局「もう一台製作」することを決心しました。(一台も二台も、産業廃棄物の処理料金は大差ない、しかし失敗だった場合はモチベーションの低下はかなり大きい、、、)

 もう一台作る前によ~く考えてみると、前回の吸音ボックスは、中身が全部「吸音ウレタン材」だったので、箱の中のウレタンと板に僅かな隙間があり、どうもこれが多少でも悪さをしているのではないだろうか。 そこで今回は吸音ウレタンを半分にし「ニードル・フェルト」を半分の割合で押し込むことにしました。 完成して吸音ボックスの一番面積の広い部分を叩いてみると、前回のボックスは「ボンッ、ボンッ」という「合板の音」がするのに対して、今回のボックスは「ドッ、ドッ」という程よくダンプされたイイ音になり、「よぉしっ、これだなっ」ということで前回のボックスも同じ構成で吸音材をつめ直しました。(ここまでで、ほとんど丸一日が経過、、、。)

 

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低音吸収ボックス(両側面)


 さて翌日、DEQX に測定マイクを接続し、いつものインパルス応答でリスニング・ポイントの周波数特性を測定してみると、、、、おぉっ、なんと、前回ほとんど効果が現れていなかった低域、つまりRM-6Vの大きな4本ダクトが放射する「25~40Hz」辺りのピークが3db以上ダンプされているではないですか。 周波数特性の改善もさることながら、低域が「ドォン」と長引かず「ドスッ」と瞬間的に収束する、この改善は大きな収穫でした。

 やはり、RM-6Vの TAD 1601b ダブル・ウーファーが放射する強大な低域のエネルギーは、デジタル・イコライザーで「電気的」に調整するだけでは限界があり、「物理的」にルーム・アコースティックの処理を行なわないと押さえ切れないのだろう、という結論になりました。 こうなると、RM-6Vの間に立ててある「ディフューザー(反射)」そしてその両側に立ててある「アブフューザー(吸収)」の裏側にも全面、低域吸収用の吸音ウレタンを入れてみたくなって来ました。(口で言うのは簡単だけれど、まずMark Levinson のバワーアンプを2台移動させ、2台のRM-6Vをジャッキアップして各々15cm前に出し、それからディフューザーとアブフューザーを取り外し、マウント用フレームを再製作し、、、、という作業で、また3、4日仕事です。)
しかし前回の、ほとんど効果がなかったという落胆とは打って変わって、今回はその効果を確認できているので、自分のモチベーションがかなり高まっているのが分かります。

 現在、RM-6Vの両側にセットしてある低音吸音ボックスは、写真の様に「針葉樹合板」のまま、いわゆる「作りっぱなし」、この外観では「自作マニア」としては欲求不満がつのって来ます。 いつも施している全面ウォールナットのツキ板+オイル仕上げも良いけれど、どうせならディフューザーの様な「反射用リブ」を付けたらどうだろうか、、、でもムク材のウォールナットの角材はすぐに入手できるのだろうか?、、、現在、デザインをいろいろ考えていて、「これ、QRDの新製品ですか?」と聞かれる様な仕上げにしたいと考えています。